季節の花たち

初夏の花材「シャクヤク(芍薬)」との組み合わせ

 5月中・下旬から6月初旬頃に流通するシャクヤク(芍薬)が入荷しました。
 芍薬は早いものでは4月頃にも入荷するものがありますが、節よりも余りにも早く入荷するものは、単価も高く、蕾の状態からそのまま開かないまま終わってしまうものもあるため、余りおすすめしません。

 やはり芍薬をお求めになる場合は、節の5月中・下旬頃から6月初旬頃がおすすめとなります。
 芍薬は蕾の状態で入荷しますが、開くまでやや時間がかかります。個体にもよりますが、平均で1週間から2週間は蕾の状態で、その後、下の写真のように開きます。

 この芍薬は、庭に植えてある芍薬です。開くと豪華でボリュームのある花ですね。開いた後も日持ちがしますので、蕾の状態から長く楽しめると思います。

 芍薬が出ると夏を感じますので、合わせる花材もやはり夏を感じさせる花材、例えば夏ハゼやリアトリスなどと組み合わせるといいと思います。

 今回は芍薬をメインに、それよりも高い位置でリアトリスを、そして芍薬よりも低い埋め込みに、エンジ色のカーネーション(バイバーワイン)を生け込みました。

 芍薬も開くとこのカーネーション(バイバーワイン)よりも大きくなりますので、開く前と開いた後ではだいぶ印象も変わってくるかと思います。

 ドラセナは2月に訪問した沖縄県の山内さんが生産した「ミヤケアカネ」。グリーン・赤・黄色の複色のドラセナです。今回のように全体としてグリーン・赤・黄色の色で生け込みを構成する際には、非常に調和する花材となります。

 芍薬が出ると夏の訪れを感じさせます。芍薬の花束などもできます。季節限定の花材となりますが、おすすめの花材の一つとなります。

(使用花材)
芍薬・夏ハゼ・リアトリス・カーネーション(バイバーワイン)・ドラセナ(ミヤケアカネ)・オンシジューム

季節の花たち

夏ハゼと薔薇、そしてカトレアと

 枝ぶりのいい夏ハゼが入荷しました。夏ハゼは、ツツジ科の落葉低木です。
 夏ハゼは葉が多いため、生ける場合は思い切って葉を落とす作業が必要です。

 今回の生け込みも葉を整理していますが、あえて「枝を見せる」こともポイントになってきます。
 生け花ではもっと「厳しく」葉の整理を行いますが、今回は生け込みなので、そこまで葉を厳しくは整理していません。しかしながら、葉を全く整理しないで生けるのと、葉を整理して生けるのでは受ける雰囲気もまた変わってきます。

 夏ハゼは個人的に枝物の中で一番好きな花材ですが、この夏ハゼには思い切って濃いめの薔薇がよく合います。今回は愛知県JAひまわりバラ部会の方々が生産した「ライラ」という名の濃いめのピンクの薔薇を使用しています。

 カトレアはホルダーに入れて生けますが、実はちょっとしたコツがあります。ホルダーに入れて真っ直ぐ挿す(左側写真)とカトレアの表情が見えません。そこで、この柄の部分を折り曲げて(右側写真)、カトレアの表情が見えるように挿すと全体としてきれいに生けることができます。

 季節は初夏ですが、花屋は既に夏真っ盛りの花材に囲まれています。

(使用花材)
夏ハゼ、バラ(ライラ)、ひまわり、カトレア、アンスリウム、ドラセナ、デルフィニウム シネンシス

季節の花たち

初夏の花「ギガンジウム」にデルフィニウムを合わせて

 初夏の花、ギガンジウムが出てきました。別名「花葱(はなねぎ)」。食用の葱の先端に出てくる花によく似ています。ニンニクや葱もこのギガンジウムと同じ仲間ですが、当然ながらこのギガンジウムは食用に適しません。生け花や生け込みなど、鑑賞用途に用います。

 ギガンジウムは丸い花と太く長い茎が特徴なので、飛び出しで生けることが基本となります。この特徴的な太い茎をカットして、埋め込みで使うのはもったいないような気がします。もちろん枝物のように矯めは効きません。

 今回は、このギガンジウムに青のデルフィニウムとスプレータイプのピンクのデルフィニウム シネンシスを合わせてみました。

 ギガンジウムの紫~デルフィニウムのブルー~デルフィニウム シネンシスのピンクと色を繋いでみましたが、この隣り合った色を繋いでいくと、全体として調和の取れた生け込みとなります。

 デルフィニウム シネンシスはこんな感じでも使っています。

 今回はお客様からのご要望で、ピンク・オレンジのアレンジを作ってほしいとのことでしたので、かすみ草の代わりにピンクのデルフィニウム シネンシスを使ってみました。

 東京からのお客様のご注文でしたので、メールで画像を送らせて頂きましたが、以下の返信メールを頂きました。

とっても素敵なアレンジメント
ありがとうございました!
母からも大好評で写真付きのメールを貰いました。

また機会がありましたら
是非お願いしたいと思います。
この度は本当にありがとうございました。

 同じ花材でも、使い方や組み合わせ方でだいぶ印象が変わります。花一つ一つを取り上げてみても、その可能性は無限に広まっていきますね。

季節の花たち

1万円お祝い用フラワーアレンジメントとお客様の声

 開業お祝いに1万円のフラワーアレンジメントのご注文を頂きました。お客様のご要望としては、黄色・オレンジ系でとのお話でした。

 今回は、ご要望である黄色・オレンジの花材に加え、補色であるブルーを入れてのアレンジをお作りしました。

 オレンジの花材としては、愛知県JAひまわり産のバラであるカルビデュームと長崎県産の大輪ガーベラ。

 黄色の花材としては、同じく愛知県JAひまわり産のスプレーバラであるサラと長野県産のアルストロメリアを使用しました。

 黄色とオレンジの中間色のような位置付けの花材として、一輪カーネーション「アクティバ」を埋め込みに、そしてアンスリウムをやや飛び出しに使用しました。

 全体を黄色・オレンジのみで構成することもできましたが、やはりブルーを入れないと全体の締まりがなくなるため、デルフィニウムとトルコキキョウ、サントリーブルーカーネーション「ムーンダスト」を組み入れました。

 全体の締まりがなくなるというのは、所謂花屋の感覚のようなものですが、「青」を入れるだけで違うんですよね~。これは、日に何度も何十回もアレンジや花束を作ってみると、感覚的に分かる結果のようなものです。そう、「ブルー」を入れると違うんです。

 もちろん単色の赤バラの花束とか、ピンクの一輪バラの花束などでは「ブルー」の入る余地はありませんが、多様な花材を入れるアレンジメントでは、その「ブルー」の効果が非常に高いものになります。

 今回は特にその「ブルー」が、黄色やオレンジとの補色関係になるため、効果がより鮮明に出ました。

 百合に関してはお祝い事なのでピンクも一瞬考えましたが、全体の色合い構成が「黄・オレンジ・ブルー」と既に3色となっており、更にピンクを入れると色がゴチャゴチャになる可能性が出たため、敢えて白にし、色を抑えてみました。

 これは切り花の胡蝶蘭やカスミ草にも言えることで、黄色でも青でもオレンジでも、明度を究極的に高くすると白になるため、「白」は極めて自然な配色とも言えます。

 このアレンジは約1mの大きなものになります。完成後、お客様にメールで画像を送らせていただきましたが、以下の返信メールを頂きました。

 アレンジの画像ありがとうございました!気になっていたので、画像のメールとても嬉しく感じております。とても豪華で胡蝶蘭も頂戴し、本当ありがとうございました。

 また何かあれば、ご連絡させていただきます。

 お客様に大変ご満足いただき、こちらこそありがとうございました。

 そして開業をなされる会社様のこれからのご発展を心から願っております。

季節の花たち

紫陽花の種類いろいろ②

 母の日が近づいてきました。当店では紫陽花(アジサイ)が続々入荷しています。

 紫陽花は数百種類あり、同じ品種が永続的に市場に出荷される訳ではありません。まさに一期一会。これほど多様な品種を扱う鉢物は他にありません。

 こちらは品名「エレガンス」。丸い可愛らしい形が特徴です。

 こちらは品名「アーリーブルー」。トゲトゲのような、面白い形の花です。もちろん、触ったらトゲトゲしていませんよ。

 こちらは品名「ホップコーン」。丸い形が面白いですね。

 この水色の紫陽花は「佳澄」。写真で見る以上に、実物はきれいな水色をしています。こちらもおすすめ。

 こちらは品名「歌合せ」。名前が洒落てますね。きれいな柔らかい感じの紫陽花です。

 母の日に向けて、紫陽花やカラー、ラベンダー、カーネーション、クレマチス等々、たくさん入荷しています。

 ご予約も承っております。地方発送も出来ますので、ご安心ください。

(リンク)
紫陽花の種類いろいろ①

季節の花たち

トーンイントーン~淡い紫と青の組み合わせ~

 以前、「トーンイントーン ~淡い紫と赤の組み合わせ~」の記事で生け込みをご紹介しました。今回は同じ種類のデルフィニウムを使い、淡い紫から見て色相環の隣接する赤とは反対側となる青との組み合わせを行ってみました。

 2枚を見比べると、同じ淡い紫のデルフィニウムを使っても、だいぶ印象が違いますね。もっとも、季節に応じて好まれる色合いは異なってきます。今日のような5月初旬でも20度を超えるような、そして明日は30度になるような日には、赤よりも涼しげな青の方が好まれます。

 店舗の生け込みも、季節や体感温度によって、お客様の好まれる色合いを考えながら生けるということも大事になってきます。

 今回は淡い紫のデルフィニウムと同系色のトルコキキョウも使用しました。

 バラは静岡県大井川産の「ブルーミルフィーユ」。写真ではピンクのような色合いになってしまっていますが、見た目はもっと紫です。この中間色のような淡い紫は、スマホのカメラでは限界なんでしょうか、なかなかうまく撮れません。外側も傷んだように見えてしまいますが、実際は違うんですよね~。アンティーク調の、気品のあるバラとなっています。

 他サイトになりますが、検索したらよく撮影されていた「ブルーミルフィーユ」のサイトへリンクを張っておきます。一眼レフで撮っているようで、よく特徴を捉えていると思います。

 このサイトを見ると、確かに「アンティーク調の気品のあるバラ」というニューアンスがよく伝わるかと思います。いいバラですよ。

 今回はブルーの花材として、同じデルフィニウムではありますが、スプレータイプのシネンシス(水色)を生け込みました。

 また、ポイントとして、補色になる黄色のヒマワリも生け込みました。

 今回は、ブルーを基調に生け込みましたが、初夏の暑さを和らげるような、涼しい色合いにまとめてみました。

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ドウダンツツジと配色の組み合わせ

 ドウダンツツジが入荷しました。季節は春真っ盛りですが、市場に入荷する花材は夏の花に移行しています。

 ドウダンツツジは主に生産者が山林で伐採して市場に出荷しています。所謂、山取りとなります。このドウダンツツジは、夏の涼しさを感じさせる最適な枝物です。

 枝物なので当然ながら1本1本形状が違い、その枝の特長を生かすよう、葉や枝を落とす工程が必要です。葉や枝を落とす作業は経験と感覚が必要ですが、手っ取り早く習得するためには、生け花をやってみるといいと思います。流派は色々とありますが、私が教わった小原流は系統立てて教わるため、基礎を習得するには最適だと思います。もっとも、一番上の1級免許状を取るためには、20年の歳月が必要ですが・・・。

 閑話休題。
 夏に流通する主な枝物としては他にナツハゼ(夏櫨)などもありますが、ナツハゼは落葉低木のため、水盤に生ける場合は重宝しますが、こういった店舗の生け込みにはあまり適しません。

 ドウダンツツジの青々とした葉は非常に印象的です。今回は、そのグリーンと補色関係にある赤と白の3色で生け込みを構成しました。

 赤バラは栃木県産のスプレーバラ「レディラブ」を使用しました。このレディラブは日持ちもし、棘も少ないため取り扱いやすく、おすすめのバラの一つとなります。

 百合は真っ赤な「リパッソ」を、そしてドラセナには赤の斑入りが特徴的な「ジョニーノーブル」を使用しました。

 上記写真の胡蝶蘭下側にあるグリーンのスプレー菊は、埋め込みとして生けてみました。

 これら「赤」と対照的な花が白の胡蝶蘭と小手毬です。

 胡蝶蘭も小手毬も垂れ下がる花となりますが、真っ白の胡蝶蘭は赤と対照的で非常に映えますね。

 今回は緑と補色関係のある赤、そしてどの色とも合う白の3色を意識して生け込みを行いました。

 アレンジも含め、全体の色合いを2色、或いは3色でまとめると、きれいに仕上がると思います。

 自分流のアレンジを、花材選定も含めてやってみると楽しいですよ。

季節の花たち

初夏の花「ツツジ」と色彩の組み合わせ

 初夏を先取りして、ツツジを生けてみました。ツツジは、晩春から初夏に見頃を迎えます。

 朱色のツツジは謂わばかすみ草のような細かい花の集合体となっていますので、彩度の変化を取り入れるためには、同系色の大輪咲きの花を選択しなければなりません(同系色といえども、細かい花と細かい花の組み合わせでは、うるさく感じてしまいます)。

 そこで今回は、大輪咲きのダリア「ナマハゲチーク」とトルコキキョウ「マンゴーアンティーク」を取り入れてみました。

 ダリア「ナマハゲチーク」はインパクトのある名前ですが、名前とは裏腹に淡い色合いのダリアとなっています。

 トルコキキョウ「マンゴーアンティーク」は、前回の吉野桜の生け込みでも採用しましたが、たいへんボリュームがある、赤茶色のトルコキキョウとなります。このトルコキキョウは非常に日持ちがしますので、おすすめの切り花の一つです。

 今回は彩度の変化だけでなく、朱色のツツジとの補色関係にあるスノーボールを生け、そのグリーンと朱色をより強調してみました。また、朱色と同系色のみで全体を構成してしまうと、まるで秋を感じさせるような色合いになってしまいます。しかし今回は初夏がテーマですので、このスノーボールを生けることで、初夏の新緑を表現してみました。

 更に、ブルーを入れると全体の色合いが締まるので、この時期定番のデルフィニウムを入れてみました。

 葉物類には青ドラセナの他、ツツジと同系色の入才ラン(赤)を入れ、ボリューム感を持たせるとともに、全体の中で葉物類が溶け込むように色合いを調和させてみました。

(リンク)
珍しい花材、エリンジューム(ブルーダイナマイト)との補色・明度の対比を中心に

季節の花たち

紫陽花の種類いろいろ①

 紫陽花(アジサイ)がさっそく入荷してきました。これから母の日にかけて、紫陽花がたくさん店頭に並びます。

 地植えもできます。紫陽花の花が終わったら、庭に植えると毎年咲きます。値段もお手頃ですので、おすすめですよ。

 紫陽花と言ったらこんな形を連想しますよね。定番の紫陽花「ピーチ姫」

 珍しい品種「華あられ」。これで一株(一鉢)です。

 こちらも珍しい品種「コットンキャンディー」。淡い色とボリュームが特徴です。もちろん、これで一株(一鉢)です。

 こちらも毎年人気のある「卑弥呼」。きれいなブルーです。

 こちらも人気の「ダンスパーティー」。可憐な淡い色合いが特徴です。

  ミニバラも入荷しました。値段もお手頃ですので、おすすめです。

季節の花たち

春の代表的な花材、桜(吉野桜)

 当地、福島県も桜が咲いてきました。

 切り花として流通する桜には、啓翁桜(けいおうざくら)、東海桜、彼岸桜、吉野桜などがあります。

 1月中旬頃から切り花の桜は流通しますが、1月頃は啓翁桜と東海桜、2月の中~下旬頃から彼岸桜、そして3月中旬頃から吉野桜と、同じ桜と言ってもその流通する種類が時期によって変遷していきます。

 アレンジ等に使いやすいのは細身の直線の枝が多い彼岸桜となりますが、この吉野桜は枝振りが1本1本違い、大ぶりの枝が多いため、生け込み用途がメインの花材となります。細い枝の場合は鋏でも切れますが、このような大ぶりの枝を切る場合にはノコギリも使用します。

 今回は、この吉野桜をメインに、カラー、ダリア、トルコキキョウ、グリーンのスノーボールを生け込みました。

 また、葉物にはドラセナの他にキキョウランも使用しました。

 トルコキキョウは、マンゴーアンティークと呼ばれる茶色の、非常にボリュームのある沖縄県産を使用しました。

 以前生け込んだ東海桜とは、同じ桜といえども特性が違うため、雰囲気もまた変わってきます。

 路上の桜が満開になってくるこの時期に、切り花としての桜の流通も終わりとなります。そして、いよいよ夏の花へと切り替わっていきます。