産地との連携

~沖縄・山形・愛知編~

沖縄県那覇市~沖縄市~浦添市~名護市 「太陽の花」沖縄県花卉園芸農業協同組合①

 2020年2月18日から20日にかけて、「太陽の花」沖縄県花卉園芸農業協同組合の組合長様を始め、多くの方々の全面ご支援の元、各生産者の圃場にお伺いしました。

 沖縄では、産地の特性を生かした葉物類や小菊、スプレー菊、百合等の生産が盛んで、当店でもかなりの本数・種類を使わせていただいております。

 葉物類では、山内さんの圃場を見させていただきました。
 これまで、HPに掲載していない産地訪問を含め、かなりの産地を訪問させていただきましたが、ドラセナの圃場訪問は初めてでした。

 オーソドックスなグリーンのドラセナや赤のドラセナもありましたが、何より注目したのは写真5番目にあるピンクとグリーンの複色であるドラセナ「アトムピンク」でした。

 極少量生産で、福島の市場にも入荷したことがない商品(つまり福島県には入荷していない葉物)でしたが、写真で見る以上にその特性に魅力を感じ、生産者の山内さんに頼んで大幅に増産してもらうこと等、熱く話をさせていただきました(当店に福島県内初となる入荷を来週月曜日になるよう直接お願いしてきました。数量限定品ですが、ありがたく使わせていただきます!)。

 写真6枚目からはジャスミンの圃場です。ジャスミンも下に垂れ下がった場合と上に固定して生育させる場合とでは、葉付きが違います。

 生け込みや結婚式のメインで使用するためにジャスミンを下に這わせるのか、或いは花束の中に入れるのかで使い方(向き・方向性)が違います。当然ながら求める葉付きの形状も変わります。その点を山内さんの方では工夫しながら栽培していました。

 これも、現地に行って直接見ないと分からない点です。

 山内さんの奥様には、自家製のバナナケーキと畑に植わっているマンゴーの木から採れたマンゴーをごちそうになりました。

 上の3枚目の画像はマンゴーの木です。マンゴーもバナナケーキも美味しかったです!

 沖縄県の土壌は赤土です。この赤土から各種の花を栽培するには並々ならぬ苦労があったことと思います。頭が下がる思いです。

 上の写真はサトウキビの収穫の様子です。このサトウキビを、精糖会社へ輸送し、加工して砂糖を作ります。

 沖縄の従来からの産業として地域特性を生かしたサトウキビの生産も多いのですが、花の一大生産地としての機能も十分に果たしています。

 百合の生産者としては、田場さんの圃場をお伺いしました。

 先日、市場に入荷した田場さんの百合を当店にても使いましたが、非常に軸がしっかりしており、花の色もしっかりと載って抜群の状態でした。

 これまで沖縄の百合は入荷がなかったために使うことがありませんでしたが、非常に使い勝手がよく、いい百合でした。

 沖縄県では、ハウス栽培、露地栽培以外に、平張りハウスと呼ばれる施設での栽培も行っております。
 平張りハウスとは、上記写真の百合栽培の上部に囲ってあるような網目状のビニールで覆っている施設です。

 平張りハウスで栽培するメリットは、塩害を防ぎ、虫害も防ぐことです。そのため農薬散布の減少にも繋がっております。

 大型の台風が来た場合、本島全域に海から巻き上げられた塩分が付着し、農作物にも被害をもたらしますが、それを軽減するための施設と考えていただければと思います。

 小菊やスプレー菊は大規模生産を行っております。沖縄県読谷地区の圃場だけを取り上げてみても、年間の小菊の出荷本数がここだけで約1900万本となっております。

 全国で入手する小菊の多くは沖縄県産と言っていいぐらいの出荷本数となっております。

 品種改良も意欲的に行われており、写真には掲載できないのですが、育種も盛んに行われております。

 路肩には普通にドラセナが自生しております。上の写真3枚目はクロトンですが、さすが南国です。こういった色合いの木々も普通に自生しております。

 本場そうきそばも別格です。

 上記写真は中継地点の中部地区集荷センターです。ここから那覇市のセンターに輸送され、船便、或いは航空便で出荷されます。

 真空保冷を導入しており、20分で急冷を行い、庫温3度にて輸送されます。船便でも鮮度が高いのは、この大規模真空保冷設備を導入しているからです。

 各々の圃場から集められた生産物(花卉類)は1日に1万4000箱~2万箱となり、全国へと出荷されています。

沖縄県糸満市「太陽の花」沖縄県花卉園芸農業協同組合②

 2020年2月20日は糸満市を中心に圃場へお伺いさせて頂きました。

 沖縄は農業が盛んですが、畜産としての肉牛の肥育も行っていました。

 山城さんの圃場では、ドラセナ栽培を行っていました。このハウス一つ(下の写真)で約2万本あります。

 近年は鉢物のドラセナから切り花に主流が移っております。鉢物の衰退原因は貸し植木の需要が減ったこと、輸送費が高騰したことなどがありますが、一方で先述したようにドラセナの切り花需要の高まりから、鉢物の生産者が切り花生産に転換している傾向が見られます。

 実際に圃場を見させて頂いて、この量は圧巻でしたが、山城さんはここだけではなく、更に複数の平張りハウスでの生産も行っております。

 嘉数さんの圃場では、トルコキキョウや夕霧草、ハイブリッドスターチスなどの生産を行っていました。

 沖縄のトルコキキョウの出荷時期は1月頃から5月初め頃までとなっていますが、この時期のトルコキキョウは別格で、軸もしっかりとしています。日保ちも抜群です。当然ながら当店でも沖縄産を積極的に取り扱っております。

 土壌はひび割れていますが、あえて生長期に水をやらないことがコツです。つまり、大地にしっかりと根を張らせることで、しっかりした、品質のいいトルコキキョウを作ることができるのです。

 嘉数さんはダリアも作っています。残念ながらダリアは日保ちがしないため、このダリアはほぼ沖縄県内の流通にとどまっています。(船便で輸送すると4日かかるため、鮮度重視のダリアは長期輸送が向かないため。)

 「太陽の花」さんで作っている肥料。もちろん沖縄産。

 今回の沖縄訪問で唯一観光らしい観光がここ、知名崎灯台。久高島が見えました。それ以外はびっしり産地訪問の3日間でした。

 今回は 「太陽の花」沖縄県花卉園芸農業協同組合の組合長様を始め、多くの方々の全面ご支援の元、各生産者の圃場にお伺いさせて頂き、大変ありがとうございました。

 沖縄は立地上の利点も含め、一大花卉生産地となっていることを改めて認識させて頂きました。

 ここに書き切れないことが多数あるのですが、沖縄産の花卉の魅力を今後とも伝えるべく、当店も積極的に使っていきたいと思っています。

  「太陽の花」沖縄県花卉園芸農業協同組合の皆様には大変お世話になりました。心から御礼申し上げます。ありがとうございました。

山形県山形市、千歳園・進藤園芸②

 2019年10月23日に山形県山形市の百合生産者 池野さん(株式会社 千歳園)と同じく山形県山形市の進藤さん(進藤園芸)の圃場にお伺いしました。

 写真は年末の出荷に向けての現在の圃場の様子です。

 二人とも非常にやる気のある生産者で、いいものを作っていこうという意識が強い方々です。お付き合いさせていただいて約10年になりますが、花業界を盛り上げていこうという意識は共通しており、本音を言い合える仲でもあります。

 ビニールハウスの1つの棟で約1万2千本の百合を栽培しており、その棟が何棟もあることで、常に供給できる体制を整えております。また、他の生産者が手掛けにくいような希少種・マイナー種も意欲的に生産しており、その意欲や熱い思いは非常に刺激になります。

 切った後の処理にも気を付けており、いかに百合を長く保たせるかに気を付けながら、市場への出荷に対応させています。

 進藤園芸の進藤さんの方では、百合以外に正月に使われる葉牡丹の生産も行っていました。進藤さんの夏に出るデルフィニウムも品質が高く、当店でもかなりの本数をアレンジ等に使わせていただきました。

 花屋が市場だけでなく、生産者の圃場まで見に行くケースは非常に少ないのですが、当店では、生産者の思いや考えを知り、その熱い思いをお客様にお届けできればと考え、不定期ではありますが全国の産地訪問をさせていただいております。もちろんそのためには、市場の社長様を始め、多くの方々の協力がなければできないことではあるのですが、国内の生産者を守らなければならない、また、花業界を盛り上げていかなければならないという意識の元に伺っております。

(リンク)
OTハイブリット百合「タッチストーン」

山形県山形市、千歳園・進藤園芸 ①

 2017年5月24日に 山形県山形市の百合生産者 池野さん(株式会社 千歳園)と同じく山形県山形市の進藤さん(進藤園芸)の圃場にお伺いしました。

 池野さんの方では、八重百合の生産も行っていました。

 池野さんが生産している上記写真の八重百合とは品種が違いますが、八重百合とは下記の画像ような八重咲きの百合となります。

 実はこの八重百合の生産には非常に手間がかかり、上記写真のように蕾(つぼみ)一つ一つに保護としてのネットをかぶせます。1本2本ならたいしたことのない作業のように感じますが、数百~数千本の百合の蕾一つ一つにネットをかぶせる作業はたいへん骨が折れます。(通常の百合ではネットをかぶせることはありませんが、八重百合は手間が倍以上かかります。)

 今日(こんにち)、品種改良により莫大な種類の百合が開発されていますが、品種改良や研究開発、また、球根そのものの出荷はオランダで行われております。

 オランダで生産された球根は世界中に向けて輸出されますが、色の好みは国ごとに違いがあります。例えば中国や台湾では黄色が好まれており、黄色の百合の球根が多く中華圏に輸出されております。

 一方、日本では白やピンク色の百合が好まれており、池野さんや進藤さんもオランダから輸入したそれら球根を育成して各市場に出荷する形を取っています。

 日本人は淡い色が好きな傾向がありますが、海外ではドレットな、はっきりした色合いが好まれます(バラも同じです)。そのため、日本は世界の中ではマイナーな買い手となってしまうため、どうしても淡い色合いの球根が品薄になったり、品種改良が行われなくなってしまったりする傾向があります。そこが池野さんや進藤さんの悩みの一つになっています。

 毎回訪問させて頂く度、どの種類が今後主流になるのか、或いは花屋にとって使いやすい百合は何なのか等についても話をさせて頂いております。また、上記のような生産者サイドでの、花屋では体験し得ない貴重な話も伺うことで、双方が有意義な連携を取れるようにしております。

 進藤さんの方ではデルフィニウムの生育も順調でした(上の画像左側)。夏限定の出荷となりますが、当店でも進藤さんのデルフィニウムをかなり(数千本)使わせてもらっています。

 今回も非常に有意義な話をさせて頂き、感謝しております。
 花屋と市場、生産者が連携を取りながら、お客様がご満足頂けるような商品を今後も取り扱っていきたいと思っています。

 生産者の方々も非常に前向きでやる気のある方が多いです。当店も国内の生産者を応援する形で、積極的に国内産の花を取り扱っていきたいと考えています。

愛知県豊川市、JAひまわりバラ部会

 2015年10月24日に愛知県豊川市のJAひまわりバラ部会の圃場へお伺いしました。

 愛知県に到着してまず感じたことは、とにかく暖かい、体感的に福島県の5月初旬頃の気候と同程度と感じました。

 各生産者がそれぞれの施設で生産したバラをJAひまわりのブランドで出荷しています。栽培品種は約150種、年間で1600万本を出荷している一大産地となります。また、若い生産者も多く、意欲的に栽培していることが印象的でした。

 JAひまわりバラ部会の圃場が特徴的なのは、水耕栽培を全面的に行っていることです。この水耕栽培により、土壌からの病原菌等の侵入を防ぎ、結果的に日保ちがするバラ、いわゆる高品質なバラを生産することに成功しています。

 圃場内の温度管理や水の管理も全て自動化されており、上部のスプリンクラーからミストが吹き付けられている様子を見た時は圧巻でした。

 また、圃場内は18度に管理されており、冬は家よりも暖かい状態が維持されています。

 下の画像は同日に行われた品評会のバラの画像です。色合いや特徴は全く違いますが、今後どの品種が主流になるのか等について、積極的に意見交流を行って参りました。

 当店でも積極的にJAひまわりバラ部会のバラを使用しております。当ブログにも随時掲載しております。ご覧頂ければ幸いです。

(リンク)
バラ「ブロッサムピンク・ファイアーキング」を使ったアレンジ
バラ「フェリニー」を使ったアレンジ②
バラ「フェリニー」を使ったアレンジ①
バラ「ファンシーローラ」を使ったアレンジ
バラ「クリーミーエデン」を使ったアレンジ
バラ「ラブリーガール・ラブリーリディア」を使ったアレンジ
バラ「ファーストエディション」を使ったアレンジ
バラ「アーリエス」を使った生け込み
バラ「カルビディーム・ラブリーリディア」を使ったアレンジ