胡蝶蘭のお手入れポイント
胡蝶蘭(コチョウラン)(英名:ファレノプシス・オーキッド)のお手入れについて、お客様からよくご相談を受けます。ここでは、簡単になりますが、お手入れのポイントをまとめていきたいと思います。
胡蝶蘭のお手入れポイント
1.原産国
フィリピン、台湾、インドネシア、タイなどの蒸し暑い国の樹上の幹や樹皮に根を張って育つ植物です。そのため、その環境を再現していくことがポイントです。

2.夏場の管理
原産国では熱帯雨林の中で育つため、最低15度以上の室温が必要です。そのため、夏場(6~9月)の環境が最も適しています。また、夏場の直射日光は強すぎるため、直射日光に当てると葉やけを起こします。レースのカーテン越しに毎日5~6時間程度日光に当てるようにするといいです。
また、風通しの良いところが好きな植物なので、ときどき戸外に出す、窓を開けて風通しを良くするなどの工夫も必要です。
夏場の水やりは、水ゴケが乾いたらすぐ与える感じでいいのですが、水をやりすぎると根腐れ(根が腐ってしまう症状)を引き起こしますので、注意が必要です。表面の水ゴケを触って水やりの判断をしてください。
3.冬場の管理
本来、最低15度以上の室温が必要です。7度ぐらいの室内で越冬させる場合には、水やりを極力減らさないと株が痛みます。更に、水を与えすぎると株が凍ってしまいます。胡蝶蘭は1ヶ月に1回程度の水やりでも枯れることがありませんので、冬場は水やりを極力減らしてください。
胡蝶蘭の切り花も含め、経験的に外気温が5度以下になると花が凍みます。一端凍みますと鑑賞に耐えなくなるばかりか、暖かいところに戻しても元に戻りません。そのため、厳冬期においては、夜間を含めた室内の温度管理が非常に大切になってきます。
冬場の温度管理は、理想は床暖房の部屋での管理です。床暖房がなければ、ホットカーペットの上に置くと、下から上へ暖かい空気が上がっていきますので、温度管理も楽になるかと思います。


4.もう一度楽しめる二度咲きに挑戦してみませんか?
花がしおれてきたら
一回目の花がしおれたら、花茎をカットします。ただし全ての花茎を切り取るのではなく、花茎に残っている眠っている芽(これを「節」と呼びます)から新しい花茎が出てくる可能性があるため、2〜3つ目の節の上でカットします。
植物の茎には、「節(ふし)」と呼ばれる部分があります。これは茎の一部で、葉が出てくる部分を指します。胡蝶蘭においては、これらの節から新たな花茎が生えてきます。
節を探すには、胡蝶蘭の茎を見てみてください。葉がついている部分と、葉がない部分が交互に現れるはずです。葉がついている部分、つまり節からは、小さな三角形のような部分が見えます。これが新しい花芽になる部分です。
適切な場所でカット
カットは清潔な園芸はさみやナイフを使い、花茎の節のすぐ上、約1cm程度の位置で行います。
その後は普段通りの手入れを続け、新しい花茎が出てくるのを待ちます。この時期は胡蝶蘭が新しい根や葉を作る「成長期」にあたるため、水やりや肥料の管理に注意が必要です。
新しい花茎が出てきたら
新しい花茎が出てきたら、それを支えるための棒を植木鉢に差し、茎が大きくなるにつれてワイヤーなどで固定します。
以上が胡蝶蘭の二度咲きの手順となります。ただし、必ずしも全ての胡蝶蘭が二度咲きするわけではなく、植物の状態や環境条件によりますので、結果に一喜一憂せず、楽しみながらお手入れを続けてください。
フラワーショップ アリスでは、常時5千円ぐらいから5万円ぐらいまでの胡蝶蘭を幅広く取り揃えております。胡蝶蘭をお求めの際には、是非とも一度当店にお立ち寄りください。電話やメールでのお問い合わせもお待ちしております。


この記事を書いた人

- 代表取締役社長・1級色彩コーディネーター
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こんにちは。福島県郡山市にあるフラワーショップ アリスの代表を務めております、菊地充智です。
元教員としての経験を活かしながら、色彩の専門知識を基に、お客様一人ひとりに寄り添った花づくりを行っています。
全国の産地を自ら訪問し、生産者の声を直接伺いながら、確かな品質と生産者の想いやこだわりが詰まった花を選んでご提供しています。
また、1級色彩コーディネーターとして、色彩の理論に基づいた花束・アレンジメントのご提案や、色彩と花に関する情報発信にも力を入れています。
ブログ記事では、花の魅力や色彩などに関する知識を、できるだけ分かりやすくお届けしています。
ご覧いただいた皆様が、花や色彩の奥深さに興味を持つきっかけになれば嬉しく思います。
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