メキシコ国旗をモチーフにした祝花の制作

 お客様から、「メキシコ国旗」をモチーフにした祝花を作って欲しいとのご依頼を頂きました。
 今回は1段スタンド花でご予算2万2千円とのことで、前回の2段スタンド(イタリア国旗をモチーフにした祝花の制作)と同等のご予算ですが、2段から1段へと段数が少なくなる分、花材の本数や内容を変更しての制作となりました。

メキシコ国旗をモチーフにした祝花の制作

 イタリア国旗と非常によく似たメキシコ国旗ですが、中央の「鷲」の部分がメキシコ国旗には加わっています。
 この「鷲」は図柄や色合がそれほど厳密には規定されていないようで、「赤」の鷲もあれば「茶色」の鷲もあり、はたまた「黄色」の鷲もいます。

 今回は赤と一部黄色が入ったグロリオサを鷲と見立て、中央に据えてみました。

使用花材

 今回は使用花材として18種類を用意しました。どれも品質が最も高い「秀品」です。

赤の花材(6種類)

・赤一輪バラ「サムライ」(静岡県大井川産)
・赤スプレーバラ「レディラブ」(栃木県産)
・大輪ガーベラ(静岡県大井川産)
・アルストロメリア(長野県産)
・ヒペリカム「トゥールロマンス」(エクアドル産のスペシャル品種)
・グロリオサ(高知県産)

白の花材(5種類)

・胡蝶蘭(鹿児島県産)
・オリエンタル百合「プレミアムブロンド」(新潟県産)
・八重百合「コールオブビューティー」(山形県山形市:千歳園)
・トルコキキョウ(福島県産)
・アルストロメリア(長野県産)

緑の花材(7種類)

・トルコキキョウ(福島県産)
・鉄砲百合(高知県産)
・ヒペリカム「ジャングルロマンス」(エクアドル産のスペシャル品種)
・ドラセナ(沖縄県産)
・ディスバットマム「アナスタシア ダークライム」(宮城県産)
・アンスリューム(福島県川俣産)
・アレカヤシ(沖縄県産)

 2020年に産地訪問で伺った沖縄県、山内さんのドラセナも使っています。このグリーンのドラセナは斑入りとなっており、一般的に流通するグリーンドラセナと一味違います。
 単品で飾っても美しい一品です。

祝花の制作

高さを決める

 当然ながら、何も無いところからのスタートです。
 器にオアシスを詰めてから、まず初めに高さを決めていきます。

 アレンジ制作ではまず高さが一番重要で、この高さを適切な位置にしないと、全体が小さくなったり、或いは大きすぎたりしてしまいますので、予算と使用用途、設置場所等を考慮しながら決めていきます。

 今回は高さを百合で取っていきましたが、この百合も上は蕾の百合、下に行くにしたがって開いた百合を使うなど、自然な状態になるよう配慮しながら生けていきます。

 一番トップのオリエンタル百合を除き、今回は八重百合をメインで使ってみました。

中央を決める

 今回は「鷲」の部分もポイントになります。色々と検討してみましたが、中央の「鷲」の部分をグロリオサで表現してみました。

 グロリオサはトータルで3本使いましたが、中央部分に花を密集させるよう意識しながら生けていきます。ただし、あまりに脇にずれたグロリオサに関しては、思い切ってカットして取り除いていきます。

グリーンの配置を決める

 続いて左側のグリーン部分を決めていきます。左の位置決めですので、細かい修正等は後に回します。

 位置決めに今回はグリーンドラセナとトルコキキョウを使いました。

赤の配置を決める

 更に赤の配置を決めていきます。赤とグリーンでは花材が違いますが、高さや横幅等を合わせていき、不自然さが無いように修正していきます。

 赤の位置決めに、今回は赤の一輪バラとスプレーバラ、そして赤のアルストロメリアを使用しました。

全体に色を入れていく

 おおよその位置決めが終わったら、全体に色(花材)を入れていきます。
 しっかりとボリューム感を持たせながら、納得がいくまで花材を追加していきます。

 ここで大事なことは、原価計算をして一本いくらだからこれしか入れないなどとつまらない計算をしないこと。職人である限り、作り手が納得しない限り、お客様も満足しません。

 横から、或いは正面から、時には後ろからのぞき込み、作り手の私が納得するまで花材を追加し、形状を整えていきます。

胡蝶蘭を入れ、最終確認と仕上げへ

 胡蝶蘭とアレカヤシを入れ、ほぼ完成へ。最終的なチェックを行い、形状を整えたり、足りないと思うところ、納得しないところに花材を追加したり、修正していきます。

そして納品へ

 完成後、納品へ。指定した時間に間違いなく納品していきます。現場でも修正がある場合は修正をし、名札の打ち間違い等も無いように気を付けて納品します。

お客様の声

 お客様から、メールで丁寧なお礼の文面を頂きました。こちらこそありがとうございます。

おはようございます。

朝からのお仕事、ありがとうございました!!

思ったより存在感があって素敵で、

人生初の祝い花にいまドキドキしています。

喜んでもらえると嬉しいな〜

メキシコの国旗だよというのは、

あとで必ず主催者に伝えようと思いますー。

名札も紆余曲折しつつ、

スッキリおさまりよかった…🥲

わたくしのオロオロにお付き合いいただき

ありがとうございました。

このイベントは、

間隔は空くと思いますが

定期的に開催するようです。

菊地様も、お酒がお好きでしたら、

ぜひご参加ください!

そしてお花はまた次回も、

お願いしたいと存じます。

この度は誠にありがとうございました。

 

この記事を書いた人

菊地充智
菊地充智代表取締役社長
 こんにちは。フラワーショップ アリスの代表取締役、菊地 充智と申します。
 福島県本宮市出身で、元々は教員として子どもたちの教育に尽力していました。その経験は私にとって大切な基礎となり、人と心を通わせる重要性や、強い絆を築くことの意味を深く理解させてくれました。

 2007年、私は新たな挑戦としてフラワーショップ アリスに加わりました。それ以来、花々と共に日々成長し、お客様に最善のサービスを提供するために常に努力しています。
 そして、花の美しさとそれぞれの物語をより深く理解し、お客様に届けるため、全国の花の産地を訪れています。

 私の経営理念は、お客様に最高の満足を提供し、常に改善と修正を行いながら、お客様にとってベストの選択を追求することです。この理念は、私が書く文章にも反映されています。

 皆さんが私の記事を通して、花の世界の美しさや、そこに込められた物語を感じ取っていただければ幸いです。それが私が記事を書く大きなモチベーションとなっています。どうぞよろしくお願いいたします。

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