花に色を付ける方法

 金色や銀色などの自然の花に無い色合いを含め、花に色を付けたいと思う場面もあるかと思います。
 ここでは、大きく2つに分けて、花に色を付ける方法について述べたいと思います。

花に色を付ける方法

①専用のスプレーを使う

 下の写真は結婚式にとのことでご注文を受けたフラワーアレンジメント。きらびやかにとのことで、今回は一部花材に花専用の金色のスプレーも使ってみました。

 吹きかけるとこんな感じです。粒子が細かく均一ですので、きれいに染め上がります。

 使ったスプレーはスミザーズオアシス社製のもの。今回はゴールドのみの使用ですが、ラメの入った「グリッタースプレー」というものもあります。

 スプレーの成分にはアセトンもあるため、使用中は火気厳禁です。

 ラメの入ったグリッタースプレーも、キラキラと光ってきれいに仕上がります。

 スミザーズオアシス社製のカラースプレーには、金や銀色の他に、青や赤などの色合いもあります。

 フラワーショップ アリスでは「ゴールド」と「シルバー」の2種類だけは自然界に無く、更に吸い上げでも表現できない色なので、この2つのカラースプレーは必ず常備しております。

②色を吸わせる

 弊社WebPage「染めバラのメリット・デメリット」でも述べましたが、染料を吸わせて色を付ける方法もあります。

 難点はいくつかあるのですが、一つにはカラースプレーに比べて吸い上げと着色に時間がかかること。

 カラースプレーでは一瞬ですが、上記写真のガーベラぐらい染めようとすると、最短で半日(12時間程度)はかかります。

 ちなみに白百合に12時間以上色を吸わせるとこんな感じになります。

 こちらは完成品。実は白百合だけでは無く、胡蝶蘭も色を吸わせています。ただし、胡蝶蘭は色の吸い上げが遅いため、12時間以上色を吸い上げても、中心部分ぐらいしか色が変わりません。

植物が本来持っている自然な色を使うのが一番いいのではあるが

 もちろん、植物が本来持っている自然な色を使うのが、花持ちの観点からも一番いいのですが、どうしてもその色にこだわって「この色が必要だ」という場合は、染色が必要です。

 下の写真はイタリア国旗をモチーフにした祝花。こちらは全ての花材が本来持っている自然な色合いを使っての制作。

 この写真のように、大抵の色合いは花材が変わっても何らかを使って表現できますが、金色や銀色の花材は自然界に存在していません。更に青(ブルー)色の花材はほとんどなく、あっても「季節限定」となり、通年で確保することができません。

 こういったポイントでの使用の際には、上記で述べた「スプレーを使う方法」か「色を吸わせる方法」を使う必要があります。