ALLグリーンの3段祝花の制作
女子プロレス「スターダム」所属選手の上谷沙弥選手のお誕生日にと、ファンの方から祝花のご注文を頂きました。
上谷沙耶選手のコスチュームのグリーンに合わせた、ALLグリーンの3段祝花です。
得意技である「フェニックス・スプラッシュ」にちなんで、大きな羽根も付けた祝花。HAPPY BIRTHDAYのバルーンも入れると、全長3mほどの大きなものとなります。
ALLグリーンの3段祝花の制作
今回は、このALLグリーンの3段祝花の制作について述べていきます。

使用花材と各種小物ご紹介
まず始めに花材から。グリーンの花材は極めて限定されていますが、トルコキキョウ、ディスバットマム、アルストロメリア、そしてバラやアンスリウムなどにはグリーンのものがあります。しかしながら生産量は他色に比べて圧倒的に少なく、確保するのも難儀し、時期によっては入手不可のものもあります。


オリエンタルユリと胡蝶蘭に関しては緑のものがありませんので、今回は色を吸わせての対応です。色を吸わせたユリに関しては後述。
グリーンの一輪バラ「グリーンフィールド」
下の写真は珍しいグリーンの一輪バラ「グリーンフィールド」。愛知県JAひまわりバラ部会の方々が作ったバラとなります。
今回、グリーンの祝花を作るにあたってどうしても必要な色合いのバラでしたので、3週間前から市場に何度も連絡し、やっとのことで入手しました。

自然界では青バラ以外、たいていの色合いのバラがありますが、その中でもこの緑色のバラは珍しい部類です。
白百合にグリーンの染色液を吸わせて
下の写真は白ユリを専用の染色液を使って色を吸わせたもの。最後の写真は色を吸わせて3日目の色合いですが、1枚目・2枚目の写真と見比べると、だんだんと色が付いてくるのが分かります。



各種小物のご紹介
今回はお客様のご希望で、大きな羽根とバルーン、LED、チュールを付けての制作です。これら資材はお客様から弊社へ送られてきたものですが、一つ一つがかなり大きめの商品であることがお分かり頂けると思います。



ALLグリーン3段祝花の制作
上段の制作
続いて制作。本来はグリーンのグラジオラスを開かせて使いたかったのですが、この時期、全国のどこにもグリーンのグラジオラスを生産している方がいなかったため、がちがちの蕾の白グラジオラスを使いました。

グリーンに染めた雲龍柳やバラ「グリーンフィールド」を入れた制作途中の画像。やはり染めた色よりも、天然色のグリーンの方が自然です。

上段がほぼ完成したところ。ここから更に各種ラン類(胡蝶蘭やシンビジュームなど)やアレカヤシ等を入れていきます。

下段の制作
続いて下段の制作。当然のことですが、左の写真の何もない状態から作り上げていきます。


今回、この3段祝花に羽根を付けて、選手に見立てた制作となっていますので、真ん中のウエスト部分はやや細めになるように最下段と横幅の差を付けていきます。
羽根を付け、ほぼ完成
羽根を付け、ほぼ完成したところ。先述のように、ここから各種ラン類を付けていきます。

ちなみに使用したアンスリウムは福島県川俣産のアンスリウム。輸入品より遙かに価格が高いですが、品質は抜群。日持ちも十分で、アンスリウムの切り花としては最高級品です。

納品時の様子
納品完了時の様子。今回、胡蝶蘭にも染色を施しましたが、胡蝶蘭はなかなか色を吸わないため、上記写真の状態が精一杯というところ。ただ、百合よりきれいに染まっており、パッと目を引きます。

また、花の周りにグリーンのLEDも施し、きらびやかで豪華な祝花に仕上がりました。
朝、設置している際、選手の皆さんがこの祝花のまわりを取り囲んで、非常に驚かれ、感激されていました。
Instagramでの動画
ちなみに 「スターダム」所属選手 は挨拶が素晴らしく、納品している私たちにも明るい笑顔で挨拶していました。個人的に一気にファンになりました。これからも益々のご発展・ご活躍を祈念申し上げます。
この記事を書いた人

- 代表取締役社長・1級色彩コーディネーター
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こんにちは。フラワーショップ アリスの代表取締役、菊地 充智と申します。
福島県本宮市出身で、元々は教員として子どもたちの教育に尽力していました。その経験は私にとって大切な基礎となり、人と心を通わせる重要性や、強い絆を築くことの意味を深く理解させてくれました。
2007年、私は新たな挑戦としてフラワーショップ アリスに加わりました。それ以来、花々と共に日々成長し、お客様に最善のサービスを提供するために常に努力しています。
そして、花の美しさとそれぞれの物語をより深く理解し、お客様に届けるため、全国の花の産地を訪れています。
私の経営理念は、お客様に最高の満足を提供し、常に改善と修正を行いながら、お客様にとってベストの選択を追求することです。この理念は、私が書く文章にも反映されています。
皆さんが私の記事を通して、花の世界の美しさや、そこに込められた物語を感じ取っていただければ幸いです。それが私が記事を書く大きなモチベーションとなっています。どうぞよろしくお願いいたします。
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