鉢植えの紫陽花(アジサイ)の管理方法と地植えのポイント、花の色が変わる理由と対処方法
鉢植えの紫陽花(アジサイ)の管理方法と地植えのポイント、花の色が変わる理由と対処方法
まもなく母の日がやってきます。母の日にはフラワーショップ アリスでもたくさんの種類を取り扱う人気の紫陽花。
今回は、鉢植えの紫陽花の管理方法と地植えのポイント、そして地植えにした際の花の色が変わる理由と対処方法について、詳しく解説します。
鉢植え紫陽花の管理方法
鉢植え紫陽花の管理には、以下のような基本的なポイントがあります。
・日当たり:紫陽花は、直射日光に当たりすぎると花が傷んでしまいます。半日陰から日陰の場所が適しています。
・水やり:紫陽花は乾燥に弱いため、土が乾燥気味になったら、たっぷりと水を与えます。鉢植えのアジサイは地植えに比べて土壌が乾燥しやすいため、特に注意して水やりを行ってください。また、受け皿に水がたまった場合は、その水は捨てて下さい。
・肥料:鉢植え紫陽花には、月に1回程度の液体肥料を与えることで、健やかな成長を促すことができます。
また、鉢植えから地植えをする場合は、以下のポイントに注意して行って下さい。
・春から秋にかけてが移植の適期です。
・鉢植えから根がはみ出している場合は、鉢を割ってから植えます。
・植え付け後は、十分に水を与えてください
地植えにした後の紫陽花の色が変わる理由と対処方法
地植えにした後の紫陽花の色が変わる理由
地植えにすることで、紫陽花の花色が変わる場合があります。
産地で育てられた紫陽花は、生産者が鉢の土の酸性度を調整して出荷しています。しかし、地域によっては土壌の酸性度が異なるため、地植えにすると花色が変わることがあります。酸性の土壌の場合、花色が青くなり、アルカリ性の土壌の場合はピンクや赤色になります。
ただし、紫陽花の花色は品種や栽培条件によっても異なるため、必ずしも土壌のpHだけで花色が決まるわけではありません。また、白い花を咲かせるアジサイの品種も存在しますが、白い花色は土壌のpHに影響されません。
鉢植えから地植えにした場合の色変化対処法
紫陽花の鉢植えは、土壌を人工的に作ったもので、栄養分を効率的に取り込めるように設計されています。一方、地植えは、鉢植えと比べて酸性の土壌で、栄養分が少ない場合があります。
鉢の紫陽花を地植えにしても色を維持するには、以下の方法があります。
土壌の酸性度を調整する
土壌の酸性度(pH)を調整する方法は、目的によって異なります。アルカリ性にする場合と酸性にする場合の方法を以下に示します。
アルカリ性にする
- 石灰を使用: 土壌のpHを上げる一般的な方法は、石灰(炭酸カルシウム)を使用することです。石灰は、酸性の土壌を中和し、植物が栄養素をより効果的に吸収できるようにします。
- 木灰を使う: 木灰も土壌のpHを上げる効果があります。ただし、木灰は石灰よりも速く効果が現れるため、注意して使用してください。
- セッコイ石やドロマイト: これらは石灰と同様に土壌のpHを上げる効果があります。ただし、効果が現れるまでに時間がかかることがあります。
酸性にする
- 硫黄を添加する: 硫黄は、土壌のpHを下げるためによく使われる土壌改良剤です。メーカーの推奨量に従って適用してください。
- 硫酸アルミニウムや硫酸鉄を使用する: これらの化合物は、土壌を迅速に酸性化できますが、過剰投与によりアルミニウムまたは鉄の中毒を引き起こす可能性があります。適用量についてはメーカーの指示に従ってください。
- 酸性の有機物を含める: マツバ、ピートモス、酸性木材(オーク、マツなど)のおがくずなど、酸性の有機物を土壌に加えることで、土壌を酸性化させることができます。ただし、この方法は効果が現れるまでに数年かかることがあります。
- 酸性化肥料を適用する: アンモニウム硫酸塩やアンモニウム硝酸塩などの肥料は、分解する際に水素イオンを放出し、土壌を酸性化させます。これらの肥料は、表示されている指示に従って使用してください。
適切な肥料を与える
地植えにした紫陽花は、鉢植えのときと比べて栄養分を取り込みにくくなるため、適切な肥料を与えることが重要です。特に、窒素、リン、カリウムなどの主要な栄養素が不足している場合は、肥料を与える必要があります。しかし、過剰な施肥は、植物の根にダメージを与えることがあるため、注意が必要です。
特に地植えしたばかりの紫陽花には、十分に水をあげる
紫陽花は、花が咲く前に十分な水を与えないと、花の色が変わってしまうことがあります。特に、地植えにしたばかりの紫陽花は、根がまだ弱いため、十分な水分を与えて下さい。
また、紫陽花の花色は、肥料の種類や量、水やりの方法、日照時間などにも影響されるため、これらの要因にも注意が必要です。
日本の土壌の一般的な酸性度は?
日本の土壌は一般的に酸性傾向にあります。これは、日本の気候が湿潤であるため、土壌中の鉱物が風化しやすく、鉄やアルミニウムなどの酸化物が多く含まれることが原因です。
一般的に、土壌の酸性度は pH 値で測定され、7未満の値が酸性、7より大きい値がアルカリ性とされます。日本の土壌の平均 pH 値は、4.5から6.5程度とされており、酸性傾向にあるとされています。ただし、地域や土地の種類によって酸性度には差があります。
日本の一般的な土壌に植えると、紫陽花の花の色は何色になる?
日本の一般的な土壌では、アジサイの花は青色や紫色になることが多いです。理由は、上記に述べたように、酸性傾向があるため。希望の色がピンクや赤の場合は、石灰などを使い、アルカリ性に土壌を改良する必要があります。
まとめ
今回は、鉢植えの紫陽花の管理方法や、地植えの際に注意するポイント、地植えにした後の紫陽花の色が変わる理由と対処方法について説明しました。
鉢植えの場合、十分な水やりや肥料の与え方に加え、湿度や風通しの良さにも気を配ることが大切です。
日本の一般的な土壌は酸性の場合が多く、青い紫陽花に変化する可能性があります。希望の色がピンクや赤の場合は、石灰などを使い、アルカリ性に土壌を改良する必要があります。
毎年5月の母の日には、フラワーショップ アリスでもたくさんの紫陽花を取り扱います。品種改良も含めれば、数千種類以上もあるとされる紫陽花。是非、お気に入りの紫陽花を見つけて、楽しんでみて下さい。
35種類の紫陽花について、「【色別】紫陽花(あじさい)の種類いろいろ」にまとめてみました。
随時更新中です。よかったら見てみてください!
この記事を書いた人
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こんにちは。フラワーショップ アリスの代表取締役、菊地 充智と申します。
福島県本宮市出身で、元々は教員として子どもたちの教育に尽力していました。その経験は私にとって大切な基礎となり、人と心を通わせる重要性や、強い絆を築くことの意味を深く理解させてくれました。
2007年、私は新たな挑戦としてフラワーショップ アリスに加わりました。それ以来、花々と共に日々成長し、お客様に最善のサービスを提供するために常に努力しています。
そして、花の美しさとそれぞれの物語をより深く理解し、お客様に届けるため、全国の花の産地を訪れています。
私の経営理念は、お客様に最高の満足を提供し、常に改善と修正を行いながら、お客様にとってベストの選択を追求することです。この理念は、私が書く文章にも反映されています。
皆さんが私の記事を通して、花の世界の美しさや、そこに込められた物語を感じ取っていただければ幸いです。それが私が記事を書く大きなモチベーションとなっています。どうぞよろしくお願いいたします。
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