プロポーズ用108本薔薇(バラ)の花束の制作過程

 今回はプロポーズに際しての108本薔薇の花束の製作過程についてご紹介致します。

 「永遠(とわ)に」との語呂合わせから、108という数字はプロポーズにぴったりの数となっています。薔薇もいろいろな色がありますが、今回はお客様のご希望で赤薔薇をご用意致しました。

プロポーズ用108本薔薇(バラ)の花束の制作過程

薔薇の産地選定と品種決定

 お客様のご注文を受けて、まずは取り寄せる薔薇の産地選定と品種決定から。

 残暑が続きますが、夏場は薔薇の丈が伸びず、愛知県JAひまわりバラ部会などでは通常70cmの薔薇の出荷もあるところ、直近では60cm、或いは50cmまでしか入荷しない状況となっています。また、宮城県の生産者の薔薇も丈が短いものばかりで、なかなか長い丈の薔薇が無い状況でした。

 一方、以前産地訪問でお伺いした静岡県大井川に市場を通して問い合わせてみると、80cmの薔薇が確保できるとのこと。プロポーズ用なので明るめの薔薇が欲しい旨を伝えると、赤薔薇「サムライ」なら本数と長さが確保できるということで、108本全て同じ赤薔薇「サムライ」にて制作することとなりました。

 「サムライ」は赤薔薇の定番品種であり、深紅の花色が美しい薔薇です。花持ちも非常に良く、弁質も良好で外的ショックに対しても強く、取り扱いやすいメリットがあります。

  写真は108本の薔薇を並べてみたところ。 60cmの丈では短すぎて108本の薔薇の花束は組めませんが、80cmあれば十分です。

トゲの処理

 続いて薔薇のトゲの処理。1本1本の薔薇にはこんな感じでトゲがあります。もちろん全て取り除いてから花束を製作しますが、108本もあるとやはり時間がかかり、トゲの処理だけで20分以上かかります。

 大井川産の最上級の等級を使用しているため、品質は全く問題ありませんが、念のためトゲを取りながら1本1本丁寧に検品していきます。

スパイラルに組む

 トゲを処理したら、いよいよ組み始めて行きます。10本程度でしたら難なく終わる作業ですが、下の写真右側の40本を組んだだけで、既に手のひらでは持てなくなってきます。

 108本の組み終わり。スパイラル状に組んでいきますが、40本を超えた段階で手のひらで支えられなくなりますので、一定の本数を組み終わった後に輪ゴムで仮止めしてから更に組んでいきます。

 108本の薔薇の花束なので、花と花の段差を付けすぎないように気を付けながら組んでいきます。また、一本一本微妙に形状が違いますので、茎の曲がりや花の向きにも気を付けながら作業を行います。

ラッピング

 保水処理をした後、ラッピングを行っていきます。ラッピングペーパーの後にセロファンをかけ、最後にリボンを付けて完成です。完成まで約1時間。花束としてはかなり大きなものとなります。

 108本薔薇の花束の完成。160cmの女性が持つと、こんな感じです。重さは6kg以上!持つと結構ずっしりします。

 今回はお客様のご希望で赤薔薇での製作となりました。他の色でも、またご希望の本数でも対応できますのでご安心下さい。色や本数をご指定の際には、事前にご予約を頂けると間違いなくお作りできます。

この記事を書いた人

菊地充智
菊地充智代表取締役社長
 こんにちは。フラワーショップ アリスの代表取締役、菊地 充智と申します。
 福島県本宮市出身で、元々は教員として子どもたちの教育に尽力していました。その経験は私にとって大切な基礎となり、人と心を通わせる重要性や、強い絆を築くことの意味を深く理解させてくれました。

 2007年、私は新たな挑戦としてフラワーショップ アリスに加わりました。それ以来、花々と共に日々成長し、お客様に最善のサービスを提供するために常に努力しています。
 そして、花の美しさとそれぞれの物語をより深く理解し、お客様に届けるため、全国の花の産地を訪れています。

 私の経営理念は、お客様に最高の満足を提供し、常に改善と修正を行いながら、お客様にとってベストの選択を追求することです。この理念は、私が書く文章にも反映されています。

 皆さんが私の記事を通して、花の世界の美しさや、そこに込められた物語を感じ取っていただければ幸いです。それが私が記事を書く大きなモチベーションとなっています。どうぞよろしくお願いいたします。

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