【トリコロール配色の配色事例】イタリア国旗をモチーフにした祝花の制作

 イタリアンレストランのお祝いにと、お客様から祝花のご注文を頂きました。
 今回はお客様から普通の祝花ではなく、イタリア国旗をモチーフにして作って欲しいとのご要望でした。そこで、イタリア国旗の3色に色を合わせて祝花をお作りしました。

【トリコロール配色の配色事例】イタリア国旗をモチーフにした祝花の制作

トリコロール配色とは

 トリコロールの英語での表記は “Tricolor” です。この言葉はラテン語由来の “tri-“(3つの)と “color”(色)を組み合わせたもので、直訳すると「3色」を意味します。

 トリコロール配色は3色を基調とする配色法で、フランス国旗に代表されるように青、白、赤を使ったものが最も有名です。しかし、トリコロール配色はフランス国旗に限らず、多様な色の組み合わせで表現されます。この配色法は、バランスの良い色彩の組み合わせによって、デザインに統一感と魅力をもたらす効果があります。

色の選び方

 トリコロール配色は色相やトーンにコントラスト感のある3色を選びます。

 今回はイタリア国旗をモチーフとしたスタンド花となりますので、「緑・白・赤」の花材を選びましたが、いずれの花材も高彩度のビビットな色合いの花材を中心に制作を行いました。

 逆に言うと、中・低彩度の花材はトリコロール配色で使用するにはあまり望ましくないと考えています。

使用した主な花材

緑の花材

 使用した主な花材は次の通り。
 緑の花材は写真にあるアンスリウム、ディスバットマム、ドラセナ、アルストロメリア。他にトルコキキョウやカーネーションなど。

 いずれも彩度の高いビビットな花材を中心に選定しました。

白の花材

 白の花材は写真に写っているトルコキキョウやオリエンタルユリ、グラジオラス。他に胡蝶蘭やアンスリウム等も使用しました。

赤の花材

 続いて赤の花材。写真の左からアルストロメリア、バラ、ダリア。他にスプレーカーネーションやポインセチア等を用意しました。

 こちらも同じように、ビビットな花材を中心に選定しました。

イタリア国旗をモチーフにした祝花の制作

 ではさっそく作ってみます。
 始めはグラジオラスから。このグラジオラスで大まかな高さが決まります。今回は3色に色分けするので、器に詰めたオアシスでおおまかな場所決めを行いました。

 通常ですともっとグラジオラスの本数を多くし幅を大きめに取りますが、先述のように3色に色分けするので、右側や左側にはみ出さないように気を付けての位置決めです。

 続いて左右上部のおおまかな高さを決めたところ。
 左右の高さを決めることで、全体像や大きさのだいたいイメージができてきます。

 だいぶ進んできました。百合も開いていた方がいいのですが、今回は全て入荷したばかりの花材で作ったため、まだまだ蕾の状態です。

 横幅もボリューム感を持たせるため、ドラセナやポインセチアも使用しました。

ポインセチアの水揚げ処理

 ちなみにポインセチアは鉢物で入荷しますので、切り落とした後、切り口を焼きます。実際に切り花で水揚げ処理に茎の切り口を焼くのはポインセチアぐらいで、他の花材は熱湯に浸す湯上げや水上げ、金槌で叩くなど、その花材に一番適した水揚げ方法を行っていきます。

ほぼ完成

 白のアンスリウムを入れたり、空いている空間に花を入れたりし、ほぼ完成したのがこの写真。この後、胡蝶蘭やアレカヤシを入れ、最終チェックを行います。

納品した様子

 納品したところ。2つ並べて撮影しました。今回は2段スタンド花のご注文でしたので、足(下側)の部分も3色に色分けしてお作りしました。

 当然ながら上段と下段では形が異なりますので、共通した花材も使いますが、一部、色合いは同じでも全く違う花材も使います。

 例えば下段の赤のスカシユリやスナップなど。下側は縦方向に長いので、形状に合わせて適切な花材を選定していきます。

【トリコロール配色の配色事例】イタリア国旗をモチーフにした祝花の制作:まとめ

 今回はイタリアンレストランのお祝いということで、トリコロール配色を用いたイタリア国旗をモチーフとした祝花をお作りしました。

 中心に白の花材を配することで、緑と赤とのセパレーション効果がより発揮され、明快な色彩のスタンド花となりました。

 従来の祝花とはまた違った雰囲気ですが、こういったご要望にも柔軟に対応できますので、祝花をご注文の際にはお気軽にお問い合わせ下さい。

 できる範囲とはなりますが、ベストな花材を選定して取り組んでいきたいと考えています。

この記事を書いた人

菊地充智
菊地充智代表取締役社長
 こんにちは。フラワーショップ アリスの代表取締役、菊地 充智と申します。
 福島県本宮市出身で、元々は教員として子どもたちの教育に尽力していました。その経験は私にとって大切な基礎となり、人と心を通わせる重要性や、強い絆を築くことの意味を深く理解させてくれました。

 2007年、私は新たな挑戦としてフラワーショップ アリスに加わりました。それ以来、花々と共に日々成長し、お客様に最善のサービスを提供するために常に努力しています。
 そして、花の美しさとそれぞれの物語をより深く理解し、お客様に届けるため、全国の花の産地を訪れています。

 私の経営理念は、お客様に最高の満足を提供し、常に改善と修正を行いながら、お客様にとってベストの選択を追求することです。この理念は、私が書く文章にも反映されています。

 皆さんが私の記事を通して、花の世界の美しさや、そこに込められた物語を感じ取っていただければ幸いです。それが私が記事を書く大きなモチベーションとなっています。どうぞよろしくお願いいたします。

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