希少種の魅力を探る – 深紅の美、赤の透かし百合「ブラックストーン」を用いた生け込み
希少種であり、神秘的な美しさを持つ赤の透かし百合「ブラックストーン」を用いた生け込みの魅力を探求する旅に、あなたをお誘いします。
豊かな色彩とユニークな特性を持つこの稀有な花は、あらゆる花飾りに深みと格調をもたらすだけでなく、その存在自体が未知の可能性を示唆します。
この記事では、「ブラックストーン」の特性と魅力を深く掘り下げ、それがどのように花屋や花愛好家の手によって生け込みやアレンジに活かされ、さらにその魅力が如何に引き立てられるかを解説します。
希少種の魅力を探る – 深紅の美、赤の透かし百合「ブラックストーン」を用いた生け込み
赤の透かし百合「ブラックストーン」を生けてみました。今回は、この赤の透かし百合「ブラックストーン」を中心にご紹介致します。
希少な透かし百合「ブラックストーン」の特性
透かし百合は一般的に黄色とオレンジを中心に作付けされています。体感的に透かし百合の黄色・オレンジの占める流通量の割合は7~8割ぐらいでしょうか。他に作付けされる色としてはピンク・白が優先され、赤の透かし百合の作付面積は非常に少ない状況です。
透かし百合はそもそも改良型のLA百合とは違い、夏の暑さに弱いため、流通時期が冬から春までと限定されています。更にそのほとんどが黄色とオレンジで占めるため、「赤」の透かし百合は極めて生産量・流通時期が限られる希少種となっています。

なお、透かし百合とLA百合の違いについては、弊社ブログサイト『3色配色を意識した生け込み~埼玉県深谷市産SP品種・スカシユリ「ゴールドツィン」「バルトイーグル」とエリンジュームを利用して~』をご覧下さい。


ブラックストーンの魅力を引き立てるアレンジメント
この赤の透かし百合「ブラックストーン」は、蕾が黒っぽいのですが、開花すると深紅の赤が目に飛び込んできます。光沢もあるのが特徴で、高級感も感じさせます。

こちらはiPadで撮影した、ブラックストーンを使用したアレンジ。名前の通り、黒みがかった赤の百合です。
上の生け込みで撮影したものより黒っぽく写っていますが、実際に見た感じではこちらの方がより近い感じです。撮影機材や場所によって写り方が変わってしまうのは致し方ありませんが、「真っ赤」というよりも深紅の方が近い印象です。


この透かし百合「ブラックストーン」は埼玉県深谷市で栽培されています。深谷市の生産者・関和さんに電話で聞いてみると、冬場に収穫するものはこのように黒っぽい色合いのようです。一方、6月頃に収穫するものは、暑さの影響で黒みが失われ、次第に赤っぽくなっていくそうです。
赤の透かし百合「ブラックストーン」の活用について
赤の透かし百合は流通量が少ないのですが、これは使い手である花屋もあまりこの赤の透かし百合自体の存在や、その魅力、使用用途等が分からないことにも起因しているのではないかと思います。
私もこの「ブラックストーン」を初めて取り扱いましたが、市場に入荷した時点では蕾が真っ黒で、開花するとどんな色合いなのか想像が付きませんでした。市場の社長とこのネーミングと蕾の色合いについて話題にしていたところ、「試しに使ってみる?」と促され20本ほど購入してみました。

開花すると前述のように光沢感や高級感があり、その深みのある赤が非常に魅力的に映りました。使用用途としては今回、生け込みやアレンジに使ってみましたが、仏用でも全く問題なく使用できると考えています。
ちなみに「バルトイーグル」や「ゴールドツイン」などの他の透かし百合とは異なり、「ブラックストーン」には花粉があります。
「バルトイーグル」や「ゴールドツイン」は「ポーレンフリー」と呼ばれる無花粉ユリですが、これも独自の魅力を持つ希少種と言えます。
まだまだ赤の透かし百合の生産量は少ないのですが、このような魅力のある透かし百合を、フラワーショップ アリスではこれからもより積極的に使用していきたいと考えています。
この記事を書いた人

- 代表取締役社長・1級色彩コーディネーター
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こんにちは。フラワーショップ アリスの代表取締役、菊地 充智と申します。
福島県本宮市出身で、元々は教員として子どもたちの教育に尽力していました。その経験は私にとって大切な基礎となり、人と心を通わせる重要性や、強い絆を築くことの意味を深く理解させてくれました。
2007年、私は新たな挑戦としてフラワーショップ アリスに加わりました。それ以来、花々と共に日々成長し、お客様に最善のサービスを提供するために常に努力しています。
そして、花の美しさとそれぞれの物語をより深く理解し、お客様に届けるため、全国の花の産地を訪れています。
私の経営理念は、お客様に最高の満足を提供し、常に改善と修正を行いながら、お客様にとってベストの選択を追求することです。この理念は、私が書く文章にも反映されています。
皆さんが私の記事を通して、花の世界の美しさや、そこに込められた物語を感じ取っていただければ幸いです。それが私が記事を書く大きなモチベーションとなっています。どうぞよろしくお願いいたします。
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