ドウダンツツジと配色の組み合わせ

 ドウダンツツジが入荷しました。季節は春真っ盛りですが、市場に入荷する花材は夏の花に移行しています。

 ドウダンツツジは主に生産者が山林で伐採して市場に出荷しています。所謂、山取りとなります。このドウダンツツジは、夏の涼しさを感じさせる最適な枝物です。

 枝物なので当然ながら1本1本形状が違い、その枝の特長を生かすよう、葉や枝を落とす工程が必要です。葉や枝を落とす作業は経験と感覚が必要ですが、手っ取り早く習得するためには、生け花をやってみるといいと思います。流派は色々とありますが、私が教わった小原流は系統立てて教わるため、基礎を習得するには最適だと思います。もっとも、一番上の1級免許状を取るためには、20年の歳月が必要ですが・・・。

 閑話休題。
 夏に流通する主な枝物としては他にナツハゼ(夏櫨)などもありますが、ナツハゼは落葉低木のため、水盤に生ける場合は重宝しますが、こういった店舗の生け込みにはあまり適しません。

 ドウダンツツジの青々とした葉は非常に印象的です。今回は、そのグリーンと補色関係にある赤と白の3色で生け込みを構成しました。

 赤バラは栃木県産のスプレーバラ「レディラブ」を使用しました。このレディラブは日持ちもし、棘も少ないため取り扱いやすく、おすすめのバラの一つとなります。

 百合は真っ赤な「リパッソ」を、そしてドラセナには赤の斑入りが特徴的な「ジョニーノーブル」を使用しました。

 上記写真の胡蝶蘭下側にあるグリーンのスプレー菊は、埋め込みとして生けてみました。

 これら「赤」と対照的な花が白の胡蝶蘭と小手毬です。

 胡蝶蘭も小手毬も垂れ下がる花となりますが、真っ白の胡蝶蘭は赤と対照的で非常に映えますね。

 今回は緑と補色関係のある赤、そしてどの色とも合う白の3色を意識して生け込みを行いました。

 アレンジも含め、全体の色合いを2色、或いは3色でまとめると、きれいに仕上がると思います。

 自分流のアレンジを、花材選定も含めてやってみると楽しいですよ。

この記事を書いた人

菊地充智
菊地充智代表取締役社長
こんにちは。フラワーショップ アリスの代表取締役、菊地 充智と申します。福島県本宮市出身で、元々は教員として子どもたちの教育に尽力していました。その経験は私にとって大切な基礎となり、人と心を通わせる重要性や、強い絆を築くことの意味を深く理解させてくれました。

2007年、私は新たな挑戦としてフラワーショップ アリスに加わりました。それ以来、花々と共に日々成長し、お客様に最善のサービスを提供するために常に努力しています。そして、花の美しさとそれぞれの物語をより深く理解し、お客様に届けるため、全国の花の産地を訪れています。

私の経営理念は、お客様に最高の満足を提供し、常に改善と修正を行いながら、お客様にとってベストの選択を追求することです。この理念は、私が書く文章にも反映されています。

皆さんが私の記事を通じて、花の世界の美しさや、そこに込められた物語を感じ取っていただければ幸いです。それが私が記事を書く大きなモチベーションとなっています。どうぞよろしくお願いいたします。