正月用生け込みの現地での制作過程

フラワー君

病院のエントランスにて、正月用の生け込みを行いました。

アリスちゃん

制作時間、約30分。どんな感じにできあがるのか、是非ともご覧下さい。

 まずはベースとなる器とオアシスの準備。オアシスは店でじっくりと水を吸わせてから現地に持ち込みます。今回は大きめの入れ物にオアシスを詰めました。下に引いた部分も併せて、合計6個のオアシスを使っています。

 オアシスは通常の柔らかさの物もありますが、今回は枝物も使うので、固めのタイプの物を使用しました。より日持ちがするように、専用の薬剤も入れています。また、ブルーシートを引いての作業となります。

 まずは高さを決めるために松を入れます。この松は三光松と呼ばれる松。一口に松と言っても多様な種類があり、当店では他に大王松(だいおうしょう)や若松、根引き松等も取り扱っています。松について詳しくは、下記のリンクにまとめていますので、宜しければそちらもご覧下さい。

 松も単純に仕入れたものをそのままいけるのではなく、下の余分な枝や葉が下向きになっている部分をカットする工程も必要です。

 続いて南天と千両を生け込みます。この南天は二段実と呼ばれる高級品。一般的な花屋ではほとんど取り扱っていないと思われます。実が二段に連なっているのが分かりますか?

 今回、千両は2等を使用しました。こちらも店頭売りで1本1400円(税別)の高級品。最終的にはこの千両を13本使用しました。

 千両で大まかな横幅を決め、松に添えるように南天を生けます。この南天は松と同じぐらい長いものでしたが、下の枝を切っています。

 現地にノコギリを持参しなかったので、今回は枝の周辺を鋏で傷つけ、太ももで折っています。無理に鋏で切ろうとすると鋏の刃が曲がりますので、枝物を切る時は無理は禁物です。この方法を用いれば、たやすく枝をカットすることができます。

 指が黒いのは花屋の特徴。毎日数千本の花を取り扱っていると、指の表面に花の繊維や樹液等が付着して黒くなっていきます。ちなみに洗剤でいくら洗っても落ちません。きっと花屋を引退するまでは、指の表面が黒いままだと思っています。

 二段実の南天をアップして撮影。きれいな赤い実が目に飛び込んできます。南天の右側には篠竹、下側には百合を生け込んでいます。

 篠竹については、前回のブログにて特集記事に記載しておりますので、宜しければそちらもご覧下さい。

 作業工程がやや進み、ほぼ洋花を入れ終わったところ。手順的には、松→千両→南天→篠竹→百合→トルコキキョウ→アルストロメリア→スプレー菊(濃舞風車)といった感じです。

 縦、横を決めた後に、茎が固い花材から入れ込んでいきます。だいぶ完成形に近づいてきました。

 二段実の南天は2本生け込みましたが、下側中央部分に生けた南天の葉が多かったため、一部を取り除きました。南天は実が立派ですが、葉の処理がたいへんで、一定のコツが必要です。

 続いて各種蘭類。今回は、胡蝶蘭とカトレア、エピデンドラムを入れました。この胡蝶蘭は鹿児島県産の秀品。そしてカトレアは、なんと北海道産。日本全国、南から北までの一級品を取り揃えての生け込みとなります。

 ちなみに左後ろから線状に出ている枝物は、金色に染めた柳となります。

 いよいよ仕上げに近づいてきました。各種正月用飾りを付けます。この後、全体を見渡しながら、空いている部分や入れた方がいいところがあれば、その都度修正をしながら花材を追加していきます。

 完成。夜にもう一度訪問して撮影しました。全て国産品の高級花材を使った生け込み。なかなかの豪華さです。百合はまだ蕾の状態ですが、開くとまた雰囲気が変わってくるだろうと思われます。

フラワー君

今回は、普段ではあまり分からない現地での生け込みの制作工程の解説を行いました。

アリスちゃん

時期限定のスポットでの出張生け込みにも対応致します。ご要望がありましたら、是非とも弊社にお問い合わせ下さい。

使用花材

・三光松・南天(二段実)・千両・百合(新藤園芸・マスター)・トルコキキョウ(2種類)・胡蝶蘭・エピテンドラム・カトレア・篠竹・染柳