季節の花たち

白百合(ユリ)と色彩の組み合わせ

 お客様からよく、「カサブランカはありませんか?」と尋ねられます。話をよく伺うと、白百合をカサブランカと言い換えてお求めになっているお客様が多くいらっしゃいます。

 実を言うと「カサブランカ」とは白百合の一品種であり、現在は百合生産者のほとんどがカサブランカを生産しておらず、滅多に市場でも出回りません。

 カサブランカは一時期、白百合の代表品種としてテレビなどのメディアで報道されたようです。カサブランカは大輪の花を咲かせますが、特性として花そのものが下向きに咲くため、あまりアレンジや花束には適しません。

 使いやすく市場での評価が高ければ、生産者は現在も大量にカサブランカを生産するはずです。一方で現在は品種改良が進み、その改良品種であるクリスタルブランカは、カサブランカの花持ちのよさや大輪の花を引き継ぎながら、カサブランカの欠点であった下向きの花が改善され、上向きに咲くようになっています。

 この写真のアレンジはクリスタルブランカとは違いますが、白百合メインの仏用アレンジのご要望でお作り致しました。

 色合い的にも白をメインにして欲しいとのことでしたので、白百合・白トルコ・胡蝶蘭・テッポウユリにグリーンのトルコキキョウ・ドラセナ・グラマトフィラムを入れて作成しました。

 白色は無彩色のためどの色とも合いますが、白+グリーンの2色は非常に落ち着いた、上品な仕上がりとなります。

 続いてケイトウ・ドウダンツツジを使った生け込み。

 ケイトウもいろいろな色がありますが、今回はそのいろいろな色のケイトウを生け込みました。

 服装のコーディネートでもそうですが、4色を超える色は入れない方がいいとよく言われます。
 アレンジや生け込みも同じで、同系色を除く、あまりにも多様な色を入れすぎるものは、見た目的にもうるさく感じ、あまりきれいな仕上がりにはなりません。

 今回は赤やピンク、茶色などのケイトウを入れたため、これ以上色を加えられない状態ですが、もしそこに更に色を加えるなら「白」、それに尽きます。

 「白」は先述のように無彩色ですが、膨張色でもあります。特に百合は花の王様と言わんばかりの存在感があり、中でも白百合は膨張色の白も加わり、一際目立つ存在となっています。

 多色の中に白を入れると、白の存在感が一際目立ち、多色のゴチャゴチャ感が緩和され、かえってその多色の色合いが白を引きだたせる存在となり得ます。

 主人公が白に交代と言わんばかりでしょうか。多色のケイトウから白百合へと主役の交代です。

 無彩色の膨張色の特性を持つ白百合は、そんな存在感を醸し出す、謂わば花の王様です。

(使用花材)
・ドウダンツツジ・ケイトウ・白百合(トゥーレガー・千歳園)・染雪柳

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