エリンジューム(ブルーダイナマイト)と花材の組み合わせ~3色配色・明度の対比を中心に~

 フラワーアレンジメントや生け込みは、漫然と制作してもきれいなものができません。やはり理論的な裏付けのある配色・構成から制作へのアプローチを行う必要があります。

 フラワーショップ アリスでは、補色や3色配色、彩度・明度などの視点から制作へのアプローチを行い、お客様にご満足いただけるような商品作りを目指しております。

 ここではエリンジュームの特徴と3色配色、及び明度の対比を中心に話を展開していきます。

エリンジューム(ブルーダイナマイト)と花材の組み合わせ~3色配色・明度の対比を中心に~

青の花材「エリンジューム」

 今回は珍しい花材としてエリンジュームを生けてみました。生け込み画像の下側にある青い花材がエリンジュームです。  

 ドライフラワーにも利用されるエリンジュームですが、金属質のような固い質感を醸し出しています。

 このエリンジュームはオランダからの輸入品ですが、流通量が少なく、当店でもあまり取り扱わない花材となっております。

 エリンジュームは類似色のグリーントルコキキョウともよく合いますが、今回は補色と明度の対比を強調するために、グロリオサと組み合わせてみました。

青・黄・赤の3色配色の組み合わせ

 エリンジュームは青緑の様な色合いですが、3色配色としてグロリオサの黄色、そして赤と対比させることにより、グロリオサがより際立つように、そしてエリンジュームが浮き出てくるようにしてみました。

 上の図は12色の色相環図です。黄色の次から右に4つ目が赤、そして赤の次から4つ目が青色です。この三点を結んだものが3色配色構成となり、バランスの取れた組み合わせとなります。

明度の対比

 エリンジュームは金属のような光沢感がありますが、明度が低く、落ち着いた色となっています。一方でグロリオサの彩度や明度が高いことによる色合いの対比も面白く感じます。

 今回、生け込みを作成するにあたり、エリンジュームとの組み合わせを色々と試してみました。普段、こういった青緑色の花材と他の花材との組み合わせがないので悩みました。

組み合わせの難しいエリンジューム

 エリンジュームは金属のような光沢感・質感があるが、意外と明度が低いこと。明度が低い花材同士で組み合わせても、暗い印象だけが残り、パッとしなくなること。一見青っぽく見えるが、白もあり黒もあり、青もありつつ緑もある、見る角度と光の反射で多様な表情を見せる花材であること。

 以上の点から、組み合わせを考える上では結構、難しい花材だと感じています。

まとめ

 花単体でのよさももちろんありますが、入荷したばかりの状態では、そのよさが引き立ちません。何の花材と組み合わせれば、その花材のよさが引き立つのか。そこが花を取り扱っている際の面白さかもしれません。

 明度が低い花材は明度の高い花材と組み合わせる。明度が低い花材と補色になる花材、或いは3色配色になる組み合わせを考える。更にはそれらを複合させた組み合わせを行う。そういった工夫が明度の低い花材には特に要求されると思われます。

 今回はエリンジュームとグロリオサの三色配色・明度の対比を中心に、スナップ、アルストロメリア、ドラセナ、ヒムロスギ、アレカヤシを生け込みました。

この記事を書いた人

菊地充智
菊地充智代表取締役社長
 こんにちは。フラワーショップ アリスの代表取締役、菊地 充智と申します。
 福島県本宮市出身で、元々は教員として子どもたちの教育に尽力していました。その経験は私にとって大切な基礎となり、人と心を通わせる重要性や、強い絆を築くことの意味を深く理解させてくれました。

 2007年、私は新たな挑戦としてフラワーショップ アリスに加わりました。それ以来、花々と共に日々成長し、お客様に最善のサービスを提供するために常に努力しています。
 そして、花の美しさとそれぞれの物語をより深く理解し、お客様に届けるため、全国の花の産地を訪れています。

 私の経営理念は、お客様に最高の満足を提供し、常に改善と修正を行いながら、お客様にとってベストの選択を追求することです。この理念は、私が書く文章にも反映されています。

 皆さんが私の記事を通して、花の世界の美しさや、そこに込められた物語を感じ取っていただければ幸いです。それが私が記事を書く大きなモチベーションとなっています。どうぞよろしくお願いいたします。

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