松市とコロナ禍での現状

 12月3日に年に一回の松市が行われました。松市と千両市は、年に一度だけ行われる特別な市となります。
 例年大々的に行われる松市ですが、今年は松の入荷量が圧倒的に少なく、種類も大幅に少ない状況でした。

松市とコロナ禍での現状

コロナの影響による外国人労働者の大幅な減少

 理由は大きく2点あり、一つはコロナ禍で外国人労働者がほぼ来なくなり、生産や出荷が間に合わなかったため。
 もう一つは需要に合わせ細い若松を作ろうとしたが、台風の影響により軒並み倒れてしまったということでした。

 コロナ渦の花卉への影響については以前、弊社ブログ記事「コロナ後の変化~生産者の単一商品作物からの脱却の流れ~」や「コロナ後の変化~グローバリズムから国内回帰と地産地消へ、そしてデフレからインフレへの転換へ~」にて記載しましたが、外国人労働者の影響がまさか松市にまで影響するとは、全く想像が付きませんでした。

 外国人労働者が来ないため、松の生産者は注文対応のみの出荷がほとんどとなり、セリで出される松はごく少数で、選択肢が非常に限られる状況でした。

 例年弊社では大王松(だいおうしょう)なども仕入れるのですが、今回はその大王松そのものも、ほとんどセリに出ない状況でした。

松の需要の変化

 しかしながら近年は松そのものの需要も圧倒的に少なくなり、買い手側の花屋もそこまで松を仕入れない状況となっています。松の入荷が0(ゼロ)では困るのですが、かといって昔ほど必要とされなくなった、つまり需要が大幅に減ったものの代表事例だと感じています。
 これは時代の変遷によりどうしようもないものだと感じています。

 同じ松市の時にセリに出た苔梅。ずらりと並んでいます。非常に樹勢が良く、私も生け込み用に何本か競り落としました。

 まもなく正月。今年一年もいろいろと忙しい年でしたが、新年を新たな気持ちで迎えたいと思っています。

この記事を書いた人

菊地充智
菊地充智代表取締役社長/色彩講師/UC級講師/1級色彩コーディネーター
こんにちは。福島県郡山市にあるフラワーショップ アリスの代表を務めております、菊地充智です。
元教員としての経験を活かしながら、色彩の専門知識を基に、お客様一人ひとりに寄り添った花づくりを行っています。

全国の産地を自ら訪問し、生産者の声を直接伺いながら、確かな品質と生産者の想いやこだわりが詰まった花を選んでご提供しています。

また、色彩講師(AFT認定)/UC級講師(AFT認定)/1級色彩コーディネーターとして、色彩の理論に基づいた花束・アレンジメントのご提案や、色彩と花に関する情報発信にも力を入れています。

ブログ記事では、花の魅力や色彩などに関する知識を、できるだけ分かりやすくお届けしています。
ご覧いただいた皆様が、花や色彩の奥深さに興味を持つきっかけになれば嬉しく思います。

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