2021年・千両市

 2021年12月15日、今年も福島花卉にて千両市が行われました。松市に引き続き、正月用の特殊花材として、単品品種のみでのセリ市となります。

 千両はミカンと同じく「表年」と「裏年」があり、実付きのいい「表年」と実付きが悪い「裏年」があります。
 今年は裏年の昨年と打って変わって実付きの良いものが多く、葉の色も青々としており、非常に品質のいい千両を入手することができました。
 特に静岡県大井川産(藤枝市)のものが抜群で、事前情報通りの品質の高さとなっており、フラワーショップ アリスでも大井川産を中心に競り落としていきました。

 千両の等級は主に実付きによって変わり、上位等級の「特級」から「1等」「2等」・・・「5等」「鎌付き」と変わっていきます。

 上の写真はセリ前の千両を撮影したもの。左側と右側では、千両の実付きに違いがあるのが分かりますか?
 これが等級の差=価格差となって現れてきます。

 上位等級と下位等級では、単純にセリの値段で20倍以上変わる場合があります。もちろん実付きだけでなく、枝ぶりや枝の長さ等も加味されて値段が決まっていきますが、同じ千両といえども価格差が非常に大きく、セリ値を付ける私たち花屋にとっても非常に神経を使うセリとなります。

 仕入れ後、各等級ごとに分けて水揚げ処理を行いますが、千両の水揚げは茎の末端を金槌で1本1本潰していきます。1000本単位で仕入れますので、この作業にもかなりの時間がかかります。

 気付けばあと2週間で正月となります。日々の生活に忙殺されて、なかなか正月のような気分にはまだなっていないのですが、来年もまた新たな気持ちで迎えていきたいと考えています。

この記事を書いた人

菊地充智
菊地充智代表取締役社長・1級色彩コーディネーター
こんにちは。福島県郡山市にあるフラワーショップ アリスの代表を務めております、菊地充智です。
元教員としての経験を活かしながら、色彩の専門知識を基に、お客様一人ひとりに寄り添った花づくりを行っています。

全国の産地を自ら訪問し、生産者の声を直接伺いながら、確かな品質と生産者の想いやこだわりが詰まった花を選んでご提供しています。

また、1級色彩コーディネーターとして、色彩の理論に基づいた花束・アレンジメントのご提案や、色彩と花に関する情報発信にも力を入れています。

ブログ記事では、花の魅力や色彩などに関する知識を、できるだけ分かりやすくお届けしています。
ご覧いただいた皆様が、花や色彩の奥深さに興味を持つきっかけになれば嬉しく思います。

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