サントリー遺伝子組み換えカーネーション「ムーンダスト」シリーズと「青い薔薇」
本日(2020年3月2日)、当店へサントリー株式会社の系列であるサントリーフラワーズ株式会社の滝澤さんにお越し頂きました。
「青いカーネーション」は数種類ありますが、総称して「ムーンダスト」と呼ばる、サントリーの遺伝子組み換え技術で完成した、自然界にはない色合いのカーネーションとなります。
フラワーショップ アリスでも既に10年以上取り扱っており、一年間を通して欠かさずに使わせていただいている定番の商品となります。
サントリー遺伝子組み換えカーネーション「ムーンダスト」シリーズと「青い薔薇」
青いカーネーション「ムーンダスト」
ムーンダストは常春の気候条件のコロンビア、及びエクアドルで生産されている輸入品となります。しかしながら、全生産量のうちのトップクオリティ10%のみを厳選して日本へ輸出していますので、品質についてはご安心下さい。
以前は北海道などの国内でも生産していましたが、現在は気候条件がムーンダストに一番適している中米での生産に切り替えています。

滝澤さんからは、サントリーフラワーズ株式会社のホームページに記載していない、新品種のカーネーションがあるという話をいただきました。そこで、さっそく30本入りを2種類、当店へ直接送っていただくようお願いしました。
恐らく、福島県内では初の入荷となりますので、入荷しましたら当ブログにて掲載したいと考えております(開発したばかりで、生産量はかなり少ないようです)。
サントリー遺伝子組み換えカーネーション「ムーンダスト」を使った花束
サントリーで開発した遺伝子組み換えの「青い薔薇」
今回のサントリーフラワーズ株式会社の滝澤さんの訪問に併せて、サントリー株式会社が開発した「青い薔薇」も送っていただくようお願いしました。私もまだ実物を見たことがありませんので、非常に楽しみにしております。
「青い薔薇」は店頭売りで1本3000円(税抜き)もします。香りがする薔薇のようで、その香りも甘い匂いではなく、柑橘系の香りがするそうです。

滝澤さんの話によると、原種が香りのする薔薇だったとのこと、また、青い色素を遺伝子組み換えで組み込んだ時に、その香りのする薔薇が一番「青い薔薇」として色合いがよかったとのことでの採用だそうです。
その他、面白い話を色々と聞かせていただきました。守秘義務があり、どうしても指定された告知期間でしかお話しできない話もありますので、時期が来ましたら当ブログにてもご紹介したいと思います。
サントリーフラワーズ株式会社 滝澤様、本日は遠方よりお越し頂き、ありがとうございました。
追記1:「青い薔薇」が届きました
2020年3月7日、先日ご来店いただいたサントリーフラワーズ株式会社様から、遺伝子組み換え品種である青い薔薇「サントリー ブルーローズ アプローズ」が届きました。
当方も初めて見る薔薇です。恐らくですが、県内でもほとんどの生花店では直接見たことも、取り扱ったこともない商品だと思われます。
当店のお客様からも度々「青い薔薇はありませんか?」と問い合わせが来ますが、一度も見たことも触ったこともない商品ですと、説明のしようがありません。そのため、実際にサントリーフラワーズ株式会社様にお願いして取り寄せてみることにしました。
下の写真は箱の外観です。

わくわくしながら箱を開封しました。
20本入りです。梱包も丁寧にしてあります。

取り敢えず湯上げ後、業務用の鮮度保持剤を吹きかけ、スパイラルに組んでガラスの花瓶に生けてみました。
照明の関係から下の写真はピンク色のように見えますが、実際は上の写真のような色合いです。

花そのものは思ったよりも小さいです。まだ蕾なので、開くとどういう表情を見せるのか、楽しみです。
丈は約50cmほど。サントリーフラワーズ株式会社の滝澤さんも言っていましたが、もともとの原種は香りが強く、伸びないものなので、その流れを継承しているようです。

参考までに一般的に流通している切り花の薔薇は、静岡県大井川(藤枝市)産で最大80cm、愛知県豊川市産で最大70cmとなります。フラワーショップ アリスでは70cmのバラを中心に取り扱っています。
この「青い薔薇」、香りは甘い匂いがします。滝澤さんは柑橘系の香りとおっしゃっていましたが、オールドローズの香りですね。いい香りです。
「青い薔薇」と同じ香りの香水「アプローズ フレグランス」
サントリーフラワーズ株式会社さんでは、「アプローズ フレグランス」と呼ばれる香水も出しています。
この薔薇とほぼ同じ香りになるよう、調香師が配合して製品化した香水です。
一般的に流通している薔薇は香りがしません。その分、日保ちがします。一方で、この薔薇は強香品種を原種にしているため、日保ちが一般的に流通している切り花の薔薇よりもしないはずです。
業務用の鮮度保持剤を全体に吹きかけてみましたが、常温でどのぐらい保つのか、試してみたいと思います。
青い薔薇の産地と価格
フラワーショップ アリスでもこの青い薔薇を取り扱いできますが、なにぶん1本3000円(税別)もする薔薇です。青い薔薇の産地は岐阜などの国内となり、指定した日に取り寄せできますが、当店でも常時ある薔薇ではありませんので、もし必要な際には事前にご相談下さい。
なお、産地から直接送ってもらう必要上、取り寄せ時に別途送料が2000円ほどかかってしまいます。そのため、1本単位での販売はできません。最低でも5本以上の購入が前提の、特殊な商品となります。
追記2:「青い薔薇」その後
先日サントリーフラワーズ株式会社様から送っていただいた青い薔薇「サントリー ブルーローズ アプローズ」ですが、きれいに開いてきました。
蕾の状態の時には、ややピンクがかっているのかな?という印象でしたが、開いてきたらより一層の青さが出てきたように感じます。

蕾の時にはオールドローズの香りがしていましたが、このいい香りは継続しています。
鼻を近づけると、ほのかな甘い香りが漂ってきます。
青い薔薇の日持ちと状態
今回は湯上げ後に業務用の鮮度保持剤を全体に吹きかけ、常温で2日間置いた後、庫内8度のショウウインドーの中に3日間置きました。商品到着から計5日間経った状態が上の写真となります。
まだ状態は大丈夫ですが、前回も述べましたように強香品種のため、香りがしない薔薇に比べ日持ちが弱い点は特性なので仕方がないかと思われます。

サントリーは遺伝子組み換え技術による青いカーネーション、青い薔薇、そして青いシクラメンが有名です。当店でも青いカーネーションや冬の青いシクラメンについては積極的に取り扱っています。
今回、初めて「青い薔薇」を実際に手に取ってみましたが、このサントリーの技術には恐れ入ります。
数年前の新聞報道で、遺伝子組み換え技術による「青い菊」の開発に成功したとの報道もありました。もし製品化できるのであれば、非常に楽しみだと感じています。
香りがあるバラが、香りがないバラより日持ちしない理由
香りの強いバラが持つ香りは、揮発性の化学物質、つまりエッセンシャルオイルによるものです。これらの化学物質は、バラが自己防衛や昆虫の引き寄せなどのために作り出すもので、一定のエネルギーを消費します。つまり、香りの強いバラは、この香りを生み出すために生命エネルギーを多く使い、それが切り花の寿命を短くする要因になります。
一方、香りがほとんどないバラは、そのようなエネルギーの消費が少ないため、そのエネルギーを他の生存活動、例えば細胞の修復などに使うことができます。その結果、切り花としての寿命が長くなります。
ただし、切り花の寿命に影響を及ぼすのは香りだけではありません。花の新鮮さ、切り花の保管状況(温度、湿度など)、水換えの頻度など、多くの要素が関わってきます。
この記事を書いた人

- 代表取締役社長・1級色彩コーディネーター
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こんにちは。フラワーショップ アリスの代表取締役、菊地 充智と申します。
福島県本宮市出身で、元々は教員として子どもたちの教育に尽力していました。その経験は私にとって大切な基礎となり、人と心を通わせる重要性や、強い絆を築くことの意味を深く理解させてくれました。
2007年、私は新たな挑戦としてフラワーショップ アリスに加わりました。それ以来、花々と共に日々成長し、お客様に最善のサービスを提供するために常に努力しています。
そして、花の美しさとそれぞれの物語をより深く理解し、お客様に届けるため、全国の花の産地を訪れています。
私の経営理念は、お客様に最高の満足を提供し、常に改善と修正を行いながら、お客様にとってベストの選択を追求することです。この理念は、私が書く文章にも反映されています。
皆さんが私の記事を通して、花の世界の美しさや、そこに込められた物語を感じ取っていただければ幸いです。それが私が記事を書く大きなモチベーションとなっています。どうぞよろしくお願いいたします。
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