染めバラのメリット・デメリット
先日、お客様から「染めた青バラの花束はありますか?」という、お問い合わせを受けました。
現在日本国内では染料を吸わせた染めバラの生産はほとんど行われておらず、その多くが輸入品となっています。

この記事では、そんな染めバラの特性、メリット・デメリットを詳しく解説し、染料を吸わせたいくつかの花材の紹介も行います。
染めバラのメリット・デメリット
今回、当店にある下の写真のオレンジバラ(カルビディーム)と業務用の青の染料で試しに12時間ほど吸わせてみましたが、イメージ的にはこのような写真のように仕上がります(※オレンジのバラに青の染料を吸わせたので、グリーンになっています)。
白バラではもっときれいに青く染まりますが、今回は白バラが手元になかったため、上記写真の一輪オレンジバラ「カルビディーム」での染色となりました。
半日吸わせましたが、オレンジバラの面影はすっかり消え失せ、「ブルー」の色合いとなっています(元々がオレンジバラだったため、グリーンとも言えますが…)。
次に、染めバラのメリット・デメリットを述べたいと思います。
メリット
・そもそも「青い」バラというものは自然界に存在しません。また、サントリーの遺伝子組み換えで作ったブルーローズ・アプローズ(下の画像)は、1本あたり税込み3300円と高額で、強香性のため日持ちも悪く、なかなかお手軽には入手できません。

輸入品の染めバラは1本あたり550円~990円程度(注1)と、サントリーの「ブルーローズ・アプローズ」に比べれば安い点が上げられます。この金額なら、染めバラだけでの花束も数千円~の金額でできます。
(注1)青バラの価格について(オランダ産青薔薇「ベンデラブルー」「アイスライトブルー」の場合
2025年時点では、注文として購入した場合、1本あたり税込990円となります。これは、市場でのセリ値と注文品とで価格差が大きいためです。
セリでは青バラが入手できない可能性が高いため、必要な場合は注文対応となります。青バラ「ベンデラブルー」や「アイスライトブルー」はオランダ産のため、円安の影響等により以前より価格が高くなっております。
セリでの青バラ入手は運次第で安く済むこともありますが、確実性を求めるなら注文対応が基本です。プロポーズなどで本数を多く必要とされる場合は、必ず事前注文をおすすめします。

・自然界にない色合いなので、もちろん貰った方のインパクトは大きいです。きっと印象に残ること、間違いないと思われます。
デメリット
・染料を吸わせているため、やはり通常の状態のバラよりも日持ちがしません。体感的には通常のバラが1週間~10日ほど持つとすれば、5日ぐらいでしょうか。もちろん体感なのでピタリとはいきませんが、染料を吸わせた分、持ちません(注2)。
(注2)オランダ産青バラが日持ちする理由
近年、安定的に入荷するようになったオランダ産青バラは、染めバラにもかかわらず、日持ちが1週間~10日と、普通の薔薇と同程度の日持ちがするようになりました。
理由は色を吸わせるだけでなく、外側からも染料を吹き付けているため、コーティングされている分日持ちがするようになったからではないかと筆者は考えています。

・花だけでなく、葉も青くなります(下の写真参照)。バラによって、また個体差によってばらつきはありますが、染料が花だけでなく葉にも回るためです。


染料を吸わせた花材の紹介
例えば白バラに青の染色を吸わせ、青のバラを作るというだけでなく、下で紹介するようなレインボー色に染めたバラや、染料を吸わせたガーベラ・かすみ草、胡蝶蘭などもあります。
ここでは、国内で流通する染料を吸わせた花材のいくつかについてご紹介致します。
青の染めバラ「ベンデラブルー」
下の写真はオランダ産の青バラ「ベンデラブルー」。白のバラに青の染料を吸わせ、更に周りからも塗料を吹き付けて作ったものです。
こちらの商品は専門の業者が色を染めているため、非常にきれいに仕上がっております。花そのもののボリュームもあり、豪華な一品です。

青の染めバラ「アイスライトブルー」
下の写真はオランダ産染薔薇「アイスライトブルー」。
淡く柔らかなソフトトーンのブルーが印象的です。インテリアとして空間に優雅さを添えるだけでなく、大切な方へのプレゼントにも最適です。

下の写真も同じ「アイスライトブルー」。下の画像の色合いが実際の色に近いと思います。

ただし値段は1本あたり税込550円~990円と、相場・注文状況によって値段は変わってきますが、一般に流通するバラに対して高くなります。
こちらの商品もお取り寄せできます。
なお、必要な日時の1週間前までにご連絡を頂ければと思います。
青バラ「ベンデラブルー」27本を使った花束
下の写真はオランダ産染バラ「ベンデラブルー」27本とかすみ草を使った花束です。
小学校教員時代の教え子が結婚することになり、奥様に渡すとのことでお作りした花束です。
青が好きなので、青い花でお願いしますとのことで、青バラをメインとした花束をお作りしました。

青バラ「アイスライトブルー」「ベンデラブルー」、ラベンダーに染めた白バラの計108本のプロポーズ用花束

こちらの花束は、青バラ「アイスライトブルー」・「ベンデラブルー」、そしてラベンダーに染めた白バラを各36本ずつ、計108本使った豪華な花束です。
3種類の青バラが織りなす、幻想的なグラデーション。アイスライトブルーの爽やかさ、ベンデラブルーの深み、そしてラベンダーに染め上げたホワイトローズの優美さ。
そのすべてを重ね合わせて、一生に一度の想いを込めた108本。
「永遠に幸せでいてほしい」という願いを託した、最高にロマンティックな贈り物です。
カラフルな染めバラ「レインボーローズ」
下の写真は染めバラ「レインボーローズ」。オランダからの輸入品です。
上記に記載した「メリット」・「デメリット」の特性を十分受け継いでいます。この商品に関してはフラワーショップ アリスで注文する場合、完全にお取り寄せの商品となります。

航空便でオランダから輸入されますが、受け取り日の1週間前までにご注文を頂ければと思います。こちらの商品に関しては、予約注文した段階でキャンセル不可となりますので、ご了承下さい。
2025年9月13日段階で1ドル150円前後の円安となっておりますので、おおよそですが税込で1本あたりの販売価格が550円~990円ぐらい注2と見て頂ければと思います。
(注2)市場のセリで仕入れる場合と、注文で仕入れる場合では、販売金額が変わります。セリは安く購入できる可能性がありますが、確実に入手できるかは分かりません。いつ入るかも不確定です。108本の花束など、指定本数が必要な際には、注文となります。注文品の場合は、税込880円~990円となります。
染料を吸わせた青い大輪ガーベラ


こちらは青い大輪ガーベラ。
右と左の写真のガーベラは同じものです。撮影時の光の加減で2枚の「青」の色合いが違いますが、実際に見ると右側の写真の方が色合いとして近いです。
本来、青い薔薇も白バラに染料を吸わせればこのような色となります。
染料を吸わせたかすみ草
下の写真は染料を吸わせたかすみ草。全国的にも有名な福島県昭和村のかすみ草となっています。
この鮮やかで可愛らしい色合いが特徴的な昭和村の染めかすみ草は、今までのかすみ草のイメージを一新させます。

思わず目を引く彩りは、昭和村の技術と情熱の賜物です。
染料を吸わせた青い胡蝶蘭
下の写真は青い染料を吸わせた、ブルーの胡蝶蘭「ブルーエレガンス」。
特殊な染色を施しており、染料を吸わせたにもかかわらず、日持ちが通常の胡蝶蘭と変わりません。
非常に珍しい一品。こちらは予約注文となり、場合によっては、2~3週間ほど待っていただくことになる、限定生産の胡蝶蘭となります。


紫の胡蝶蘭「パープルエレガンス」
こちらも同じ「エレガンスシリーズ」の中で、ブルーと同様におすすめの品種「パープルエレガンス」となります。
白の胡蝶蘭に特殊な染色を施しており、染料を吸わせたにもかかわらず、日持ちが通常の胡蝶蘭と変わりません。
非常に珍しい一品。こちらも予約注文となり、場合によっては、2~3週間ほど待っていただくことになる、限定生産の胡蝶蘭となります。
金額はブルーと同様に税込33000円となります。


まとめ
今回は、染めバラのメリット・デメリットについてまとめてみました。
自然界にはない色合いですので、貰った方のインパクトは大きく、きっと驚かれ、喜ばれると思います。
もしご注文される場合は、メリットとデメリットを勘案していただければと思います。
また、上記でご紹介したガーベラやかすみ草、胡蝶蘭などもフラワーショップ アリスで取り扱っております。いずれも予約対応となります。早めにご予約いただければ対応可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
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この記事を書いた人

- 代表取締役社長/色彩講師/UC級講師/1級色彩コーディネーター
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こんにちは。福島県郡山市にあるフラワーショップ アリスの代表を務めております、菊地充智です。
元教員としての経験を活かしながら、色彩の専門知識を基に、お客様一人ひとりに寄り添った花づくりを行っています。
全国の産地を自ら訪問し、生産者の声を直接伺いながら、確かな品質と生産者の想いやこだわりが詰まった花を選んでご提供しています。
また、色彩講師(AFT認定)/UC級講師(AFT認定)/1級色彩コーディネーターとして、色彩の理論に基づいた花束・アレンジメントのご提案や、色彩と花に関する情報発信にも力を入れています。
ブログ記事では、花の魅力や色彩などに関する知識を、できるだけ分かりやすくお届けしています。
ご覧いただいた皆様が、花や色彩の奥深さに興味を持つきっかけになれば嬉しく思います。
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