ディスバットマムの可能性とその使い方

 菊というと従来の白菊をイメージする方が大半だと思います。日本や中国が原産の菊ですが、1800年代に西洋に輸出され、西洋で品種改良されたものを「西洋菊」と呼びます。もっとも、現在は「西洋菊」とい名前は一般的でなく、「スプーレーマム」や「ディスバットマム」として市場に流通しています。

 写真のグリーンの花がJA八戸まべち産のディスバットマム「ロサーノシャルロッテ」。スプレーマムと違い、一輪のカラフルな色合いが特徴の菊です。
 従来の菊のイメージと違い、お祝い用のフラワーアレンジメントに入れてもよく調和します。

 ディスバットマムにはこのグリーンのタイプのものだけでなく、下の写真のようなピンクやオレンジ(茶色)のものもあれば、濃い赤色のものもあり、色や形状が非常に豊富です。

 生産量は全国的に見てもまだまだ少なく、生産地も限定されています。
 コロナ渦で葬儀の簡略化等により白の大菊の需要が減少した一方、家庭需要にこのディスバットマムは伸びています。

 先日のブログ記事「お盆の花手水(はなちょうず)」にも記載しましたが、ディスバットマムはやはり菊なので、よく日持ちします。「花手水」をネットで検索してみると、ガーベラを用いたものやバラを使ったものなどもありますが、花手水の花は水に長期間浸している状態なので、洋花は日持ちの観点から心配な面が出てきます。一方、上記写真の菊(ディスバットマム)でしたら、それら洋花よりも日持ちの点で安心です。

 ディスバットマムは洋花と合わせた生け込みにも最適です。上記写真中央にある真っ赤なディスバットマムは「マーレッタ」。クリスマス風の生け込みにも違和感なく、自然に生け込めます。

 上記写真は正月用アレンジに使ったディスバットマムの一例。写真中央にある茶色と黄色の混色のディスバットマムは「チスパ」。洋花だけで構成すると「葉」のボリュームが感じられませんが、やはり菊類を入れるとボリューム感が変わってきます。

 以上のように、近年急速に人気が高まっているディスバットマム。その用等は仏用だけでなく、アレンジや手水花、生け込み、正月用アレンジなど多岐に渡ります。先述のように菊類ですので、よく日持ちします。

 ディスバットマム単体でもきれいですので、ご自宅の花瓶に飾ってみるのはいかがでしょうか?

この記事を書いた人

菊地充智
菊地充智代表取締役社長
こんにちは。フラワーショップ アリスの代表取締役、菊地 充智と申します。福島県本宮市出身で、元々は教員として子どもたちの教育に尽力していました。その経験は私にとって大切な基礎となり、人と心を通わせる重要性や、強い絆を築くことの意味を深く理解させてくれました。

2007年、私は新たな挑戦としてフラワーショップ アリスに加わりました。それ以来、花々と共に日々成長し、お客様に最善のサービスを提供するために常に努力しています。そして、花の美しさとそれぞれの物語をより深く理解し、お客様に届けるため、全国の花の産地を訪れています。

私の経営理念は、お客様に最高の満足を提供し、常に改善と修正を行いながら、お客様にとってベストの選択を追求することです。この理念は、私が書く文章にも反映されています。

皆さんが私の記事を通じて、花の世界の美しさや、そこに込められた物語を感じ取っていただければ幸いです。それが私が記事を書く大きなモチベーションとなっています。どうぞよろしくお願いいたします。