冬の花材、石化柳と赤芽柳

 冬の花材、石化柳と赤芽柳が入荷しました。

 冬の花材として代表的な柳ですがその種類は多く、他に代表的な柳としては、行李柳やドラゴン柳、小豆柳、雲龍柳などがあります。

 柳は基本的に矯めが効くため、自在に曲げることができますが、今回の生け込みでの石化柳はそのままの形で、赤芽柳は中央に向かうように「やや」矯めて生け込みを行いました。

 石化柳はそのままの形が1本1本全く違っており、全く同じ形が2つとありません。石化柳も柳なのでもちろん矯めが効きます。しかし、この石化柳はその自然にできた形そのものが面白く、そのままの形を生けた方が自然です。

 今回は石化柳を6本ほど使用しましたが、形状が全て違っており、1本1本を見てもたいへん面白い形をしています。

 生け花の試験でもこの石化柳を使ったことがありますが、ランダムに配られる石化柳から生け込む場合は、その石化柳の形状の当たり外れも多く、「試験」という時間制約上と交換ができないという条件が重なり、かなり緊張感を持って接したことがあります。

 花屋の生け込みでは100本単位の石化柳の束から好きな形状のものを選べますので、楽しく生けることができますが、こと生け花の試験に限っては、かなりの難敵とも言える花材です。

 一方、赤芽柳は先日の生け込みでご紹介した黒ほおずきと同じように、「陽表(ひおもて)」と「陽裏(ひうら)」があります。つまり、太陽が当たっているところが赤っぽく、太陽に当たらない場所が緑色になっています。

 生け込む時には、この陽表が正面に向かうように生けなければなりません。

 先述のように柳は基本、強く矯めても折れません。上記写真のように赤芽柳を「やや」矯めただけでも曲線の面白さが出ますが、赤芽柳をメインに生け込む場合は、もっと「極端に」矯める場合もあります。

 矯めれば矯めるほど赤芽柳の面白さが出るとも言え、そこが柳を生ける面白さにも繋がります。

 赤芽柳は石化柳と違い、1本1本が真っ直ぐな直線のまま入荷します。逆に言うと矯めないと面白くない花材とも言えます。

 石化柳と赤芽柳は同じ柳といえども、その取り扱い方は全く違っており、生け込む際にはある程度の知識と経験が必要になってきます。

 複色のドラセナはミヤケアカネ。こちらは沖縄県の山内さんが生産したものとなります。

 このミヤケアカネは赤・緑・黄色の複色のドラセナです。生産量が極めて少なく、アトムピンクも含め、基本的に福島県では弊社のみの取り扱いとなっています。

 ドラセナは一般的な単色のグリーンのもの、或いは単色の赤系のものが広く出回っており、花と花との隙間を埋める単なる「脇役」との認識が強い傾向にあります。

 しかしながらドラセナを単なる「葉物」として取り扱うのではなく、その葉物そのものが主役となり得るような使い方、或いは用い方、花材との組み合わせ方を目指さなければならないと強く感じています。

 上記写真は以前生け込んだドラセナ「カプチーノ」。このドラセナだけで、雰囲気が全く別のものに変わっています。

 このように、ドラセナは隠れた名脇役の役割を十分に果たしています。

 さて、今回はこのダリアのように見えるディスパットマム、所謂「菊」を中央に生け込みました。

 このディスパットマムは「セイツィール」と呼ばれる青森県八戸産のものとなります。当然ながらダリアと違い「菊」のため、日持ちは十分です。

 一般的なダリアは5日ほどしか保たない一方で、これらディスパットマムはこの時期に少なくとも2週間は日持ちします。

 11月となり、最低気温も0℃に近づいてきました。

 今回は冬の花材「石化柳」と「赤芽柳」をメインに、パッと目を引くストレチア、そして全体との色合いを調和させるドラセナ「ミヤケアカネ」などを生け込みました。

 「柳は3月まで」とも言われますが、個人的に大好きな枝物「柳」を3月まで目一杯使っていこうと今から楽しみにしています。

(使用花材)
・石化柳・赤芽柳・ストレチア・ドラセナ「ミヤケアカネ」・ディスパットマム「セイツィール」・野バラ・ソケイ