珍しい花材:ハンノキ(ヤシャブシ)と花材の組み合わせ

 珍しい花材、ハンノキ(ヤシャブシ)が入荷しました。

 この枝物は正確にはヤシャブシ(カバノキ科ハンノキ属の落葉高木)ですが、市場に入荷する際には、一般的に「ハンノキ」として流通します。ここでは、市場に入荷する花材名に倣い、ハンノキと用語を統一して記載することにします。

 Wikiを読みますと、このハンノキ(ヤシャブシ)は福島県以南から太平洋側に沿って四国、九州に連なる低山・平野に自生するとのことです。当地福島県郡山市では、寒さのためか、まず見たことのない枝物となります。

 このハンノキ、11月上旬の入荷したばかりの時には実がまだ若く緑色をしていましたが、水を張ったバケツに入れておくと実が次第に黒っぽくなってきます。

 今回は時期を1ヶ月ずらし、2回に渡ってハンノキを使った生け込みを行いましたが、若い緑色の実と熟成した黒い実で使用する花材・色合いを変えてみました。

 左側の写真は11月の緑色の若い実を生けた時の生け込み、右側は12月の熟成した黒い実を生けた時の生け込みとなります。

 若い実は緑色のきれいな色合いですので、組み合わせの一例としては、所謂クリスマスカラーのような緑・赤をベースとした組み合わせがいいかと思われます。

12色の色相環図(影と明るい色、基本見本)

 緑と赤は色相環で正反対に位置する組み合わせとなり、いわゆる「補色」と呼ばれます。補色関係を構築すると色の鮮やかさがより強調されます。例えばこの「緑と赤」のような組み合わせにより、今回の生け込みの場合はハンノキや椿のグリーンと赤バラや野バラの赤の対比が補色対比により、際立ちます。

 11月に生けた生け込みでは、赤のスプレーバラをメインに生けつつ、グリーンの葉物として艶がある椿も併せて生け込みました。椿は椿油を取ることができるなど、油分が多く含まれています。そのため、切り花にしても比較的長く持ち、その艶や色合いが数ヶ月そのままの状態を保ちます。

 左下の足下には野バラを生け、全体として右上から左下に流れるような形で生け込みました。

 続いて右側の生け込み。こちらは1ヶ月後の12月初旬に生けたものとなります。熟成した黒い実が特徴的ですが、その黒い実に対してはっきりした色合いのグロリオサやピンクの百合(マスター)、赤い実のヒペリカム、ピンクのアルストロメリア、ドラセナ(アトムピンク)を生け込みました。

 明度の低い黒に対しては、やはり明度の高い明るい色合いが生け込みには相応しく感じます。

 11月に生けた和の花材を中心としたハンノキの生け込みでは、生け花の傾斜型のような「流れ」を作ってみましたが、今回は洋花での組み合わせのため、特に流れるような形は取りませんでした。

 ハンノキは季節限定の花材です。緑から黒へ実の色合いが変化するのも面白いですが、このまま水を張ったバケツに入れておくと、根が生えてきます。

 今回は、珍しい花材「ハンノキ」の色合いの変化に応じて、花材の組み合わせの一例をご紹介致しました。実の付き方が面白いので、飾りを付けてクリスマス風にアレンジしてみても面白いかもしれません。

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千両市