季節感に応じた花材選び②~夏の涼しさを演出するⅡ~

 フラワーアレンジメントや生け込みは、漫然と制作してもきれいなものができません。やはり理論的な裏付けのある配色・構成から制作へのアプローチを行う必要があります。

 フラワーショップ アリスでは、補色や3色配色、彩度・明度などの視点から制作へのアプローチを行い、お客様にご満足いただけるような商品作りを目指しております。

 秋には秋らしい生け込み、春には春らしい生け込みと、季節感に応じた生け込みが必要になってきます。
 ここでは、夏の涼しさを演出するのにふさわしい生け込みについて、花材と色合いの関係を中心に話を展開していきます。

季節感に応じた花材選び②~夏の涼しさを演出するⅡ~

 曇天の湿度が高い梅雨が続きます。そろそろ梅雨が明けてもいい頃合いですが、今回は「季節感に応じた花材選び②~夏の涼しさを演出する②~」と題し、蒸し暑さを吹き飛ばすような、ブルーとグリーンを基調とした生け込みを行いました。

夏の涼しさを演出する枝物「ドウダンツツジ」

 生け込みに際し、枝振りのいいドウダンツツジが入荷しました。枝振りのいいドウダンツツジはそのまま生けてもいいのですが、生け花や店舗の生け込みなどの「魅せる」場合においては、葉や枝を整理しなければなりません。

 ポイントとしては「枝を見せること」「重なっている葉がある場合は、重なっている場所をカットすること」の2点です。しかし、うっそうと生い茂った枝物を入手しても、どこをどう切ればいいのかは初めての場合、全く分かりません。この「枝を見せる感覚」を習得するためには、生け花を習うことが一番の近道だと思います。

 枝を切ると切断面の青さが目立つ場合があります。その場合は、黒の油性ペンでその切断面を塗るなどの細かい作業も必要となります。

涼しげなブルーの色合いの「アガパンサス」

 飛び出しの青い花はアガパンサスです。市場では葉付きのものと花単体のもので大きく値段が変わります。

 当店では今回、葉付きのアガパンサスを仕入れましたが、葉付きのものですと恐らく東京近辺の花屋では花1本、葉数枚セットで800円前後でしょうか。

 これは日本水仙でも言えることですが、生け花では水仙を4枚葉で使用します。生け花で使えない3枚葉のものと4枚葉のものでは、大きく値段が変わります。

 このアガパンサスも、葉付きでないと生け花で使用できないため、葉があるかどうかで値段が極端に変わります。

「トルコキキョウ」と「リンドウ」

 トルコキキョウは先日産地訪問で伺った福島県郡山市の斎藤さんが生産したものです。この茎の太さは別格で、日持ちもするため安心して生け込みにも使用でき、またお客様にも自信を持って販売できます。

 リンドウも出始めてきました。このリンドウは山形県の佐藤さんが生産したものとなります。6月の中旬頃から少しずつリンドウは出始めますが、最盛期は8月~9月頃となります。9月の終わり頃には笹リンドウと呼ばれる葉が笹のような形のしたきれいなリンドウも出始めてきます。秋には紅葉もし始めてくるリンドウですが、まだ出始めなので真っ青の状態のものだけとなります。

ブルーをより強調する補色

 今回はブルーとグリーンを基調とした生け込みを行いましたが、ブルーをより強調するため、補色としてオレンジのピンクッションも埋め込みで使ってみました。

 全体として涼しい感じのする生け込みです。ジメジメした梅雨空が続きますが、少しでも夏の涼しさを感じ取って頂ければと願っております。

使用花材

・ドウダンツツジ・アガパンサス・トルコキキョウ・リンドウ・雪柳・ピンクッション