濃紫の花々で彩る結婚式場:結婚式場での装花一例

 華やかさと深みを兼ね備えた濃い紫色を主役に据えた、結婚式場での装花制作。白やグリーンを交えたコントラスト、選りすぐりの花材で織りなす一つ一つの作品。

 この記事では、お客様のリクエストから生まれた装花作品の過程を紹介します。花の魅力を最大限に引き出す私たちの技術と情熱に触れてみてください。

濃紫の花々で彩る結婚式場:結婚式場での装花一例

 結婚式場での装花を行いました。
 今回はメイン花の他にキャンドル花、そしてテーブル花の制作を行いました。

メイン花・キャンドル花・テーブル花の設置場所と役割

メイン花

 メイン花は結婚式の装飾の主役とも言えます。主に新郎新婦が立つ祭壇など、目立つ位置に配置されます。

 これらの花は一般的に大きく、ドラマチックなもので、式の雰囲気やテーマを反映するように選ばれます。

キャンドル花

 キャンドル花は、キャンドルと一緒にテーブル上などに配置され、ムード作りを助けます。

 照明の下で輝くキャンドルと共に、花は柔らかな光を反射してさらなる魅力を放ちます。キャンドル花はお客様からの特別なご要望がない限り、メインの装飾と色合いの調和を図ります。

テーブル花

 テーブル花は、ゲストが座るテーブルの中央に配置されます。
 テーブル花はテーブルの全体的な見た目を高め、座っている間にゲストが目で楽しむことができる美しい視覚的なアクセントを提供します。

 テーブル花は一般的に、メインの花よりも小さいですが、全体のテーマ、色合いに合わせて選ばれます。

 以上のように、それぞれの花は独自の役割を果たし、全体の雰囲気作りに貢献します。これら全ての要素が組み合わさることで、一つの結婚式が華やかで感動的なものになります。

花材の選定

 お客様からは今回、濃い紫を入れてほしいとのご要望を頂きました。そこで、紫色として次の花材を選定致しました。

濃い紫の花材

・濃い紫トルコキキョウ「ボヤージュブルー」
・薄い紫トルコキキョウ「ジュリアスラベンダー」
・サントリーが開発した遺伝子組み換えカーネーション「ムーンダスト」
・サントリーカーネーション「ゴーレム」
・バンダ
・濃い赤紫色のスプレーマム

 下の写真の中央部分がバンダとなります。

 ただ、濃い紫のみの構成では紫のよさが引き立たないため、コントラストとして白やグリーンなどの花材も選定しました。

白・グリーンの花材

・白バラ「アバランチェ」
・グリーンカーネーション「オリーバ」
・エンジ色のカーネーション
・プロテア
・グリーンスプレーマム

 葉物等、その他花材は以下を使用しました。

葉物等、その他花材

・利休草
・ゴットセフィアナ
・ポリシャス
・白妙菊
・ピポットスポラム
・ミスカンサス
・ルスカス

 このように、結婚式のテーブル花は実はかなりの花材を用意して制作しています。

 もちろんこれらの花材は生産者から市場へ、そしてフラワーショップ アリスへと届きますが、本数はそれぞれ50本や100本などのロット単位での入荷となります。

 更に品種等の花材指定で取り寄せし、そのたくさんの花材の中からメイン花やテーブル花などを作っていきます。

デザインの解説

 今回の装花制作では、濃い紫色の花々がメインの役割を果たしました。濃い紫トルコキキョウ「ボヤージュブルー」と薄い紫トルコキキョウ「ジュリアスラベンダー」を主軸にし、それらを組み合わせることで紫色の深みと多様性を表現しました。

 それぞれの花が持つ紫の色調が互いに引き立て合い、より豊かな色彩表現を可能にしました。

 一方、白バラ「アバランチェ」やグリーンカーネーション「オリーバ」などの花材を選定し、紫色とのコントラストを生み出すことで、紫色の美しさを一層引き立てました。

 白は純粋さを象徴し、グリーンは自然の生命力を象徴します。これらの色彩が濃い紫と絶妙なバランスで融合することで、見る人の心を引きつける深みと調和のあるデザインを作り出しました。

微妙な調和:紫とグリーンの組み合わせ

 12色の色相環図(下図)を参照すると、紫とグリーンは厳密には補色関係にはないことが分かります。

 しかしながら紫とグリーンの組み合わせは、それぞれがもたらす静寂感と自然の豊かさが相互作用し、深みのある視覚的な印象を生み出します。デザインや芸術の世界ではよく用いられる組み合わせです。

 人間の視覚においても紫とグリーンは強い印象を与えます。紫は青と赤の中間色で、比較的目に優しい色ですが、それだけに特別な感じを与えます。

 一方、グリーンは自然界で最も豊富に見られる色で、リラクゼーションと安心感を提供します。

 これら二つの色が組み合わされると、見る人にとって心地よく、リラクゼーションと特別感を同時に感じることができます。

まとめ

 これらの装花作品は、単なる飾り付けではありません。それぞれが、結婚式という特別な日に適した独自の雰囲気とテーマを表現し、新郎新婦とゲストがその場をより楽しむことができるように作り上げられています。

 紫色の深みと華やかさ、そして白やグリーンの自然な鮮やかさが織り成す絶妙なバランスは、装花の技術と芸術性が同時に表現されています。

 それぞれの花、色、そして配置が意味を持ち、結婚式という特別な瞬間をより美しく、感動的に彩るのです。

 新郎新婦様からの喜びの声を頂くたびに、私たちはその制作過程の全てが報われる瞬間と感じます。

 これからも私たちは、新たな花材、色、テーマを探求し、より豊かで感動的な装花作品を提供していくことを約束します。すべての新郎新婦の幸せな結婚式を、これからも心から祝福しています。

この記事を書いた人

菊地充智
菊地充智代表取締役社長
 こんにちは。フラワーショップ アリスの代表取締役、菊地 充智と申します。
 福島県本宮市出身で、元々は教員として子どもたちの教育に尽力していました。その経験は私にとって大切な基礎となり、人と心を通わせる重要性や、強い絆を築くことの意味を深く理解させてくれました。

 2007年、私は新たな挑戦としてフラワーショップ アリスに加わりました。それ以来、花々と共に日々成長し、お客様に最善のサービスを提供するために常に努力しています。
 そして、花の美しさとそれぞれの物語をより深く理解し、お客様に届けるため、全国の花の産地を訪れています。

 私の経営理念は、お客様に最高の満足を提供し、常に改善と修正を行いながら、お客様にとってベストの選択を追求することです。この理念は、私が書く文章にも反映されています。

 皆さんが私の記事を通して、花の世界の美しさや、そこに込められた物語を感じ取っていただければ幸いです。それが私が記事を書く大きなモチベーションとなっています。どうぞよろしくお願いいたします。

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