厳しい残暑の中で ~珍しい花材「カラマグロスティス ブラキトリカ」~

 長い梅雨が終わったと思ったら、今度は厳しい暑さが続きます。夜には少しずつ虫の鳴き声も聞こえてきていますが、まだ「初秋」というには幾分早い気がします。

 今回はそんな厳しい残暑の中で生け込みを行いました。「初秋」にはまだ早いので、染雪柳などの真っ赤な葉物は使わず、晩夏を感じさせるような珍しい花材「カラマグロスティス ブラキトリカ」を使ってみました。

 カラマグロスティス ブラキトリカは国内ではほとんど流通しておらず、かなり珍しい花材です。ふわふわとした穂の美しさ・質感がススキや稲穂を連想させるような魅力的な花材です。

 今回は葉物として他に雪柳も生け込みましたが、雪柳のボリュームとカラマグロスティス ブラキトリカの葉のスッと湾曲になる葉がよく調和します。

 今回はこれら葉物の他に百合を二種類生け込みました。黄色の百合は定番のイエローウィン、白の内側に赤が入っている百合はニンフとなります。

 リンドウは青と白の色が混在したパステル色を生け込みました。これから秋が深まるにつれ、リンドウの葉にも紅葉が見られるようになってきます。

 夏の初めには青のリンドウが多く出回りますが、これからは葉が笹の形をした笹リンドウやピンク色のリンドウもたくさん出回ってきます。

 暑い日々が続きますが、少しずつ実りの秋に近づきつつあります。そしてこれから花屋では実物もたくさん出てきます。

 いよいよ秋の到来です。

(使用花材)
・カラマグロスティス ブラキトリカ・グラジオラス・百合2種類(イエローウィン、ニンフ)・雪柳・リンドウ

この記事を書いた人

菊地充智
菊地充智代表取締役社長・1級色彩コーディネーター
こんにちは。福島県郡山市にあるフラワーショップ アリスの代表を務めております、菊地充智です。
元教員としての経験を活かしながら、色彩の専門知識を基に、お客様一人ひとりに寄り添った花づくりを行っています。

全国の産地を自ら訪問し、生産者の声を直接伺いながら、確かな品質と生産者の想いやこだわりが詰まった花を選んでご提供しています。

また、1級色彩コーディネーターとして、色彩の理論に基づいた花束・アレンジメントのご提案や、色彩と花に関する情報発信にも力を入れています。

ブログ記事では、花の魅力や色彩などに関する知識を、できるだけ分かりやすくお届けしています。
ご覧いただいた皆様が、花や色彩の奥深さに興味を持つきっかけになれば嬉しく思います。

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