仏花(仏スタンド花)のモチーフ ~美術的観点からの仏像の魅力と仏花~

 個人的には特定の宗教・宗派に全くこだわってはいないのですが、以前から美術的観点からの仏像の魅力に惹かれ、宗教・宗派を問わず神社仏閣に赴き、仏像等を拝見させて頂いております。

 下の写真は6月に訪問した山形県の湯殿山瀧水寺大日坊で撮影した仏像です。

 さすがにご本尊は撮影してはいけないので、それ以外の仁王像や廊下に安置してある仏像だけを撮影してきましたが、この彫像作成の技術や構想力、構図には大変感銘を受けます。

 さて、一般的な仏像のイメージは、上記写真の4枚目のような形だと思われます。

 つまり仏様に後光と台座がともに彫像されているものを、一般的に「仏像」とイメージされると思われます。

 こういった仏像の歴史は古く、日本では奈良時代以前から伝来されてきていると言われています。

 もちろん、「仏像」にも様々な形がありますが、この後光と台座がセットになったこの形が、日本人に安心感をもたらすものではないかとも考えています。

 翻って仏花(仏スタンド花)を考えてみますと、全国的にも、また各々の花屋においても、特に決まり切った「形」というものはなく、それぞれ独自に作っているのが現状です。

 もちろんそれはそれでいいのですが、日本人にとっての「安心感」をもたらす形を突き詰めて考えてみますと、究極的にはこの後光が差す台座に乗った仏様のこの形をモチーフにしてみるのもいいのではないかと考えております。

 当店では宗教・宗派に全くこだわっていないのですが、日に何十本もご葬儀の花(仏花)を作っていると、何となくこの仏花そのものが、後光と台座のある仏像の形に似てきているのではと感じています。

 もちろん当初は仏像をモチーフにして仏花を作ろうとは考えていなかったのですが、よりよい商品を作ろうと試行錯誤しながら改善に改善を重ねて作っていると、そこはかとなしに仏像をモチーフにしているような錯覚に陥ってきています。

 日本人にとっては、こういった形が安心感を与えるとともに、日本的美意識に根付いたものだと言っても過言ではない気がします。

この記事を書いた人

菊地充智
菊地充智代表取締役社長
こんにちは。フラワーショップ アリスの代表取締役、菊地 充智と申します。福島県本宮市出身で、元々は教員として子どもたちの教育に尽力していました。その経験は私にとって大切な基礎となり、人と心を通わせる重要性や、強い絆を築くことの意味を深く理解させてくれました。

2007年、私は新たな挑戦としてフラワーショップ アリスに加わりました。それ以来、花々と共に日々成長し、お客様に最善のサービスを提供するために常に努力しています。そして、花の美しさとそれぞれの物語をより深く理解し、お客様に届けるため、全国の花の産地を訪れています。

私の経営理念は、お客様に最高の満足を提供し、常に改善と修正を行いながら、お客様にとってベストの選択を追求することです。この理念は、私が書く文章にも反映されています。

皆さんが私の記事を通じて、花の世界の美しさや、そこに込められた物語を感じ取っていただければ幸いです。それが私が記事を書く大きなモチベーションとなっています。どうぞよろしくお願いいたします。