3月に向けて花の出荷状況と春の花を使ったアレンジメント

 いよいよ3月が近づいてきました。3月は初旬に高校の卒業式、中旬に中学校の卒業式、下旬に幼稚園・保育園・小学校の卒業式が行われます。更に3月中旬からの彼岸が重なり、下旬には退職や異動と、一ヶ月を通して花の需要が継続的に発生します。併せて葬儀での花の需要等も同時並行であるため、花屋にとっては一年間を通して最も忙しい繁忙期の一ヶ月となります。

 ここでは、今年(2021年)の3月に向けての花の出荷状況を中心に述べていきたいと思います。

今年の傾向

 今年の傾向としてはとにかく雪が多いこと。それに尽きます。

 先日訪問した山形県の池野さんのところも、ハウスが雪に覆われていました。

 当然ながらハウスを暖める暖房費が嵩んでいます。前年対比で見ても1.5倍の重油代がかかっているそうです。

 今から20年~30年ほど前は重油代の価格がリッターあたり20円~30円程と非常に安く、いくら暖房を付けてもたいした負担ではないとのことでしたが、今はリッターあたり約80円。ヒートポンプ等を導入してもなかなか採算が取れないぐらい厳しいとのことでした。

 以前、愛知県JAひまわり部会に訪問したことがありますが、その時の薔薇のハウスの中が18℃。自分の家より暖かいと生産者の方が話していましたが、暖地である愛知県でさえ重油を多用していました。

 冬場に花の値段が高騰するのはこの重油代が加味されているからというのも一因です。所謂「生産コスト」が価格に転嫁されているということです。

 花の価格はそれだけでは決まらず、「需給関係」もかなりの影響を及ぼします。昨年4月の緊急事態宣言時には、年率換算値のGDPが▲28.1パーセントととんでもない数値に落ち込みましたが、花も需要が激減し、相場が大暴落。当時の弊社のブログ記事「多数のご来店、誠にありがとうございました。」にも記載しましたが、惨憺たる状況に陥っていました。

 ただ今年は関東圏で未だに緊急事態宣言が解除されてはいませんが、(人数制限をかけた上で)卒業式は通常通りに行われ、また、花の需要も急増しているため、相場もかなり上昇してきました。

 花の相場が上昇することはひいては生産者の意欲向上にも繋がるので、デフレマインドで衰退するよりは、インフレ傾向で上昇する方が好ましいと私個人は考えております。

3月に向けての花の出荷状況

 3月に向けての花の出荷状況は、概ね順調です。ただ、需要が逼迫するため、極端な品薄になる状況に変わりありません。

 左の写真はミモザ。イタリアでは3月8日を「ミモザの日」と読んでいるそうですが、近年は国内でもミモザの需要が高まってきています。弊社も数年前まではあまりミモザを取り扱っていなかったのですが、Instagram等でかなり人気があることから、逆に積極的に取り扱うようになりました。

 このミモザ。今年は不作で産地(静岡県)での欠品率が75%と、注文しても入手できない状況が続いています。今回はお客様からもご注文を頂いていたので、産地から状態のいいミモザを入手することができました。

 続いて桃の花。3月の節句に向けて桃の花の出荷もピークを迎えています。弊社でも多数の桃の花を用意し、アレンジ等に使っています。

 オンシジュームは弊社ブログ記事「コロナ後の変化~グローバリズムから国内回帰と地産地消へ、そしてデフレからインフレへの転換へ~」の中で、台湾産がメインだと述べました。

 直近では中華圏が旧正月を迎えていたため、中華圏での需要急増によりオンシジュームの入荷が無い状況でした。

 ここに来て、やっと少しずつ入荷が再開されるようになってきており、明日(2月26日)から弊社でもオンシジュームの取り扱いが始まります。

 国内産の蘭では「エピデンドラム」が最盛期を迎えていますが、こういった珍しい蘭を含め、今後も花材を豊富に取り揃えていこうと考えております。

春の花を使ったフラワーアレンジメント

 上記動画は桃の花、ミモザ、カラーも入れたワンサイド型のフラワーアレンジメント。春らしい色合いのピンク・黄色を組み合わせたアレンジです。

 まもなく3月。世の中は暗い世相に覆われていますが、明るい兆候のきざしも見え始めています。花は心の癒やしとも言われます。是非ともご自宅に飾ってみたり、贈ってみたりしてはどうでしょうか。