花屋の裏側~花屋のPC事情~

 花屋とPCは一見、イメージが直結しないと思います。しかしながら、現代は花屋でも業務でPCが必須となっています。

 本記事では、メインのPCから始まり、モバイルノートやレーザープリンターなど、花屋が業務を遂行する上で必須の機器の一部を、フラワーショップ アリスの事例としてご紹介致します。

花屋の裏側~花屋のPC事情~

メインPC

メインPC

(メインPC:仕様)
CPU:Intel core i7 7700
メモリー:32G
OS:Windows11
ストレージ:SSD256G+SSD1テラ+HDD4テラ+SSD512G
グラフィックカード:GTX1650super
電源:Corsair550W(Gold認証)

 2018年に個人PCとしてメルカリで当時8万円の中古で購入したものをメインPCとして業務で利用。Excelの使用やメールでのお客様とのやり取り、wordpressによるHP制作、chatGPT利用程度では、実はこの性能で十分すぎるほど。

 20数年前と比較すると、近年はマザーボードのコンデンサーも電解コンデンサーから全固体コンデンサーに置き換わっているため、少なくとも10年以上持つと考えています。

 もっとも、購入当初から部品は相当入れ替えており、
・メモリー:16G→32G
・電源:500W(ブロンズ認証)→Corsair550W(Gold認証)
・DVDドライブ、故障により交換
・落雷被害によるマザーボードのLAN端子故障→USB3.0からの有線LAN接続
・グラフィックカード:GTX1050ti(一部出力端子の故障)→GTX1650super
・USB3.1Gen2×1カードの増設
等々、ケースとマザーボード、CPU以外はほとんど変わっています。

 ストレージも随分追加しましたが、近年はicloudなどのクラウド利用が当たり前となってきており、今となってはそれほど複数個も必要ではなくなってきました。特に重要データや2024年1月から義務化される電子帳簿保存法に対応するためには、事前でストレージを用意するだけでなく、これらクラウドに全て保存することが必須となってきています。

 また、このPCは本来、Windows11のインストール基準を満たしていませんでした。しかし、解決策としてe-Bayを通じて中国からTPM2.0モジュールを購入・取り付けし、CPUで撥ねられる部分はレジストリーの数値を修正して導入しました。

 Windows11は使いにくいという一部ネットでの書き込みも散見されますが、バージョン23H2になると格段に使いやすくなったと感じています。

 最近は仕事のメインとしてchatGPTもフル活用していますが、テキストベースでのAI活用に関しては個々のPCの性能差は実はほとんど関係が無いため、動画編集等を目指さない限り、現状のPCスペックで十分すぎると感じています。

ディスプレイは24インチを2枚並べています

 ディスプレイは24インチを2枚並べています。本来なら作業効率が捗るので3枚での表示をしたいところですが、スペースが限られているため、やむを得ずの状況です。

名札作成用PC

名札作成用PC:東芝dynabook R63P

(名札作成用PC:仕様)
東芝dynabook R63P
CPU:Core i5 5300U
メモリー:12G
OS:Windows11
SSD:480G+外付け512G

 こちらはヤフオクで個人PCとして2020年初頭に2.5万円程度で購入したもの。購入と同時にメモリーを4G→12Gに増設。SSDを128Gから480Gに交換して使用。

 本来は個人PCとして使っていましたが、2023年6月の落雷被害により名札作成用PCが故障したため、こちらに入れ替え。
 「筆の先生pro」という業務用のソフトを使用しているため、ノートパソコンはあくまでシステムの一部として使用し、モニターは別の21インチに出力。キーボードも外付けで利用し、作業効率が落ちないようにしています。

 内蔵の無線LANモジュールも規格が古いため、最新の無線LAN規格 AXに対応したUSB接続の無線LAN子機も接続しています。

 当然ながらこのPCも本来Windows11には対応していませんが、インストールの際にレジストリーの一部を修正して導入。先述のようにバージョン23H2になると格段に使い勝手が良くなっているため、非常に重宝しています。

 基本的には名札を打ち、レーザープリンターに出力するだけのPCですので、最低限のロースペックでも全く問題ありません。要はOSがサポートし、セキュリティ的に問題無ければいいと考えています。

 Windows10のままでは2025年10月にサポートが切れる懸念点がありましたが、Windows11に入れ替えたため、壊れるまで使用しようと考えています。

 PCはともかく、この業務用の「筆の先生pro」というものがかなり高額なソフトで、記憶が曖昧ですが、38万円前後で購入した記憶があります。このソフトはUSBメモリのキー認証で起動・動作するため、複数のPCにインストールして使用することは不可。

 弊社では、名札作成用PCが壊れた時用のバックアップとしてWindows7のPCもありますが、こちらにも別の「筆の先生pro」を導入しているため、ソフトの金額だけでも2台分・80万円近くの金額がかかっています。 
(更に前の世代のWindows95バージョン対応フロッピーディスク版「筆の先生」は廃棄処分しましたが、こちらもかなりの金額で、筆の先生だけで今は3代目です。)

 ちなみにこの名札作成用PCは24時間稼働し続けており、店舗用BGMとしてヘッドフォン出力端子から店舗のアンプ・スピーカーに音楽を流しています。音楽はインターネットでの有料配信(JASRAC許諾済み)のサービスを利用しており、他サービスに比べて相対的にかなりの低価格で運用を行っています。

ノートPC

DELL Inspiron 14 5430

(ノートPC:仕様)
DELL Inspiron 14 5430
CPU:Core i7 1360p
SSD:1テラ
メモリー:16G
OS:Windows11

 DELL製のノートPC。2023年5月下旬に新品としてDELLの直販サイトから購入。非常に使い勝手がいいノートPCです。お客様からのメールに対し24時間以内に返信する場合、ノートパソコンは必須となります。

 基本的には出張その他で遠方に行く場合、必ず持っていきます。iPhoneのテザリングで、電波が届けばどんな山奥でも基本的にメール返信ができるようにしており、お客様からの至急のメールにも対応できるようにしています。

 念のため不慮の事故で大けがして入院する場合など、私からのメールが返信できない場合、店舗にあるiPadから弊社スタッフがメールを読み、電話で対応するようにもしています。

スキャナー

Scan Snap
IX1600

Scan Snap
IX1600

 2024年完全義務化の電子帳簿保存法を見据えて、2022年に購入したスキャナー。それ以前はフラットベーススキャナーを利用していましたが、このスキャナーは格段に読み取りが早く、また自動的にPDFで保存するため、こちらのスキャナーに乗り換え。格段に業務効率がUPしました。

 名刺等も読み取りできますが、何よりも利便性がいいと思っているのは、印刷した領収書や請求書をPDFファイルでメールにて送信する時。これまでのフラットベーススキャナーに比べてものの数秒でデータ化できるため、業務効率の点で画期的な製品だと感じています。

レーザープリンター

モノクロレーザープリンター:RICOH SP6420

モノクロレーザープリンター:RICOH SP6420

カラーレーザープリンター:RICOH SP C740

カラーレーザープリンター:RICOH SP C740

 実はレーザープリンターは花屋に必須の機器となります。祝花や葬儀に際しての名札等を印刷するためです。
 20年以上前は業務用カラーレーザーは随分高い印象がありましたが、近年は10万円程度で購入できるものも増えてきました。

 それこそ30年以上前は、名札作成を手書きで請け負う業者があったぐらいの話で、1枚いくらと頼めば名前を書いてくれましたが、昨今は先述の「筆の先生pro」のような業務用ソフトで作成するのが基本となっています。

 昔からリコーの製品を使っていますが、リコーのすごいと思うことは、保守部品が製造後8年経過してもあると思われること。随分昔に購入したレーザープリンターの可動部分であるヒンジが壊れた際にも、注文してすぐにパーツを取り寄せてもらったことに非常に驚きました。

 そのため、私はリコー製品を非常に信用して使用しています。

まとめ

 意外と花屋もPCを使っていることがお分かりになられたかと思います。設計等を行う訳では無いので高性能パソコンはそれほど必要ありませんが、今回掲載したもの以外にも、それぞれで複数台用意しており、いつどれが故障しても対応できるようにしています。

 至急案件の場合、こちらの都合で「故障したからできません」では話が通じないからです。

 今後更にAIの進化などで環境が大きく変わっていくと思いますが、時代に対応しながら、お客様にご満足頂けるよう環境整備を含めて前向きに取り組んでいきたいと考えています。

この記事を書いた人

菊地充智
菊地充智代表取締役社長
 こんにちは。フラワーショップ アリスの代表取締役、菊地 充智と申します。
 福島県本宮市出身で、元々は教員として子どもたちの教育に尽力していました。その経験は私にとって大切な基礎となり、人と心を通わせる重要性や、強い絆を築くことの意味を深く理解させてくれました。

 2007年、私は新たな挑戦としてフラワーショップ アリスに加わりました。それ以来、花々と共に日々成長し、お客様に最善のサービスを提供するために常に努力しています。
 そして、花の美しさとそれぞれの物語をより深く理解し、お客様に届けるため、全国の花の産地を訪れています。

 私の経営理念は、お客様に最高の満足を提供し、常に改善と修正を行いながら、お客様にとってベストの選択を追求することです。この理念は、私が書く文章にも反映されています。

 皆さんが私の記事を通して、花の世界の美しさや、そこに込められた物語を感じ取っていただければ幸いです。それが私が記事を書く大きなモチベーションとなっています。どうぞよろしくお願いいたします。

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