輸入花卉の選択と活用:フラワーショップアリスの戦略と表現

 TPP等に関係なく、既に切り花は輸入品の関税が0であり、国内の生産者は厳しい競争に巻き込まれています。フラワーショップ アリスでは国内の生産者を守るために少しでもお役に立てればと、国内の生産者を応援する形で、基本的には国産をメインに仕入れを行っております。

 しかしながら、エチオピア産のピンクッションやオーストラリア産のリュウカデンドロンのような輸入花卉は、アリスの多様なアートワークに色彩と個性を与えています。

 本記事では、フラワーショップ アリスの輸入花卉の選択と利用、そして輸入花卉に対する考え方について詳しく解説しています。

輸入花卉の選択と活用:フラワーショップアリスの戦略と表現

特殊な気候条件を必要とする花卉の取り扱いについて

 当店は基本的に生産者にこだわった国産の花卉(かき)をメインに取り扱っておりますが、一部、輸入花卉も取り扱っております。

 上記写真のピンクッションはエチオピア産、リュウカデンドロンはオーストラリア産です。日本で生産されていないもの、或いは取扱量が極めて少ないものに関しては、輸入品を扱います。

 ではなぜ日本で生産されないのか?それは気候条件が大きく違うことも要因の一つです。日本の夏は高温多湿ですが、例えばピンクッション。この花は寒さと湿気に弱いため、日本の気候では栽培が難しく、商業ベースに乗りません。そのため、国内の生産者でピンクッションを作ろうとする生産者はほとんどいません。

 上記写真中央に生けたキングプロテア、こちらは南アフリカ産。いわゆるワイルドフラワーと呼ばれるものの一つです。これらワイルドフラワーを取り扱っている花卉の輸入商社として代表的な会社が「株式会社 シマトレーディング」となります。

 「シマトレーディング」では、ワイルドフラワーの他に薔薇や菊、カーネーションなどの輸入品も取り扱っています。一方、フラワーショップ アリスの考え方としては、先述のように基本的には国内産として入手不可のものを中心に輸入品を取り扱うことにしています。

主な輸入花卉の種類と産地

 主な輸入花卉の種類と産地を下の表にまとめてみました。

 例えば下の写真のプロテア「シャロン」。こちらは南アフリカ産。日本では降水量の関係で生産が難しい品種となります。また、ブルニア「アルビフローラ グリーン」。こちらも南アフリカからの輸入品となります。

(制作事例)輸入花卉で表現するタブロウの世界

 タブロウ(tableau)とはフランス語で額縁に入った絵画の意味を示します。
 今回のアレンジは、赤芽柳・バラ・ビバーナム・リュウカデンドロンを用いてタブロウの世界を表現してみました。

 ビバーナム「テイナスレッド」やリュウカデンドロン「ガルピニ」は市場でもあまり流通しない、比較的珍しい花材です。

 ビバーナム「テイナスレッド」はイタリアからの輸入品です。青い実が特徴ですが、あじさいのような小さな白い花が咲き、その花が咲き終わると、この様なきれいな青い実になります。

 また、リュウカデンドロン「ガルピニ」は白くて丸い実が特徴です。南アフリカ原産ですが、この実は南アフリカから輸入されています。

 国産の赤芽柳は冬を代表する花材です。赤芽柳も柳の一種ですが、柳は一般的に矯めにより形を自由に変更できる特性を持ちます。まっすぐの直線で行けることもありますが、今回のような曲線にも変形できる面白い花材です。

 赤い皮がむけると銀色のふわふわした芽が現れますが、その状態になると銀芽柳と呼び名が変わります。

 赤バラにアルストロメリアやトルコキキョウなどの組み合わせもいいですが、赤バラにこれら実物も、赤バラがパッと引き立つ名脇役となり得ます。

 完成したアレンジは、まさに「タブロウの世界」。赤芽柳を額縁(tableau)に例え、その額縁の中で、赤バラが引き立つよう輸入の実物を使いながら生け込んでみました。

まとめ

フラワーショップアリスの花材選び:国内産と輸入品の絶妙なバランス

 フラワーショップ アリスではお客様に弊社オリジナルの表現を提供するため、国内産の花材を中心としながらも、適時、輸入品を組み合わせた花材選びも行っています。特に、国内での生産が困難な花卉については、世界各地からの輸入品を使用しています。

 国内ではなかなか生産できない特別な輸入花材として、エチオピア産のピンクッションやオーストラリア産のリュウカデンドロンなどがあります。これらの花卉は、日本の気候条件下では栽培が難しく、その独特な魅力を日本市場に提供するために輸入されています。

 フラワーショップアリスでは、このような国内外の花材を適切に活用することで、豊かな表現を可能にしています。輸入品と国産品を組み合わせることで多様なニーズに対応しつつも、国内の花材生産者を応援する姿勢を持ち続けています。

あなたの花卉体験は?

 フラワーショップアリスが取り扱っているような輸入花卉をご自身で使った経験はありますか?あるいは、興味がある花卉があれば教えてください。あなたのコメントをお待ちしています。

この記事を書いた人

菊地充智
菊地充智代表取締役社長
 こんにちは。フラワーショップ アリスの代表取締役、菊地 充智と申します。
 福島県本宮市出身で、元々は教員として子どもたちの教育に尽力していました。その経験は私にとって大切な基礎となり、人と心を通わせる重要性や、強い絆を築くことの意味を深く理解させてくれました。

 2007年、私は新たな挑戦としてフラワーショップ アリスに加わりました。それ以来、花々と共に日々成長し、お客様に最善のサービスを提供するために常に努力しています。
 そして、花の美しさとそれぞれの物語をより深く理解し、お客様に届けるため、全国の花の産地を訪れています。

 私の経営理念は、お客様に最高の満足を提供し、常に改善と修正を行いながら、お客様にとってベストの選択を追求することです。この理念は、私が書く文章にも反映されています。

 皆さんが私の記事を通して、花の世界の美しさや、そこに込められた物語を感じ取っていただければ幸いです。それが私が記事を書く大きなモチベーションとなっています。どうぞよろしくお願いいたします。

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