珍しい花材図鑑|アレンジに奥行きを出す草物・実物・葉物・枝物

 本記事では、フラワーショップ アリスで実際に仕入れた、珍しい草物・実物・枝物・葉物をご紹介します。

 アレンジメントや花束は、バラやユリ、カーネーションのような主役の花だけで完成するわけではありません。
 草物、実物、葉物、枝物が入ることで、作品に動き、奥行き、季節感、自然な表情が生まれます。

 そんな実物・草物・葉物・枝物などに焦点を当て、特に生産量の少ない「珍しい花材」を中心に、入荷した花材を随時掲載していきます。

珍しい花材図鑑|アレンジに奥行きを出す草物・実物・葉物・枝物

ひまわり

パープルヒル

 淡いグリーンを帯びたつぼみの姿がとても印象的で、一般的な黄色いひまわりとはまた違った、落ち着きのある雰囲気を感じさせてくれるひまわり「パープルヒル」。

 黄色の明るく元気な印象だけでなく、グリーンのやわらかさや自然な落ち着きもあり、ナチュラルな花束やアレンジメントにも合わせやすい花だと思います。

ひまわり「パープルヒル」
ひまわり「パープルヒル」

 この画像は蕾の状態。花が開くとまた違った表情となりますが、この蕾の状態が実に面白いと思います。

ブロカットホワイトナイト

白いひまわり「ブロカットホワイトナイト」。今回は蕾での出荷です。

まだ花びらが開ききる前の姿ですが、この段階でしか見られない美しさがあります。

幾重にも重なるグリーンの苞。その奥に少しだけ見える、淡いクリームホワイトの花弁。
咲いた姿の華やかさとはまた違う、植物そのものが持つ造形美を感じます。

ひまわり「ブロカットホワイトナイト」
ひまわり「ブロカットホワイトナイト」

ヒペリカム

メープルワイナリー

 ヒペリカムというと、アレンジや花束に入れる「実もの」のイメージが強い花材です。ですが、この「メープルワイナリー」は、実だけでなく花そのものも魅力的です。

 小さく咲く黄色の花。赤みを帯びたつぼみ。そして、少しシックな色合いの葉。

 グリーンの中に、ワインレッドのような深い赤みが重なり、そこに黄色の小花が入ることで、落ち着きの中にも可愛らしさがあります。
 主役の花を引き立てながら、アレンジ全体に表情を加えてくれる花材です。

ヒペリカム「メープルワイナリー」
ヒペリカム「メープルワイナリー」

ヤマゴボウ

 アレンジメントの中では、主役というより全体に動きや奥行きを加えてくれるアクセント花材です。

 小さな粒のような蕾、やわらかく伸びる枝のライン、グリーンの葉の中に少しだけ見える淡いピンクの茎。
 派手な花ではありませんが、こうした花材が入ることで、アレンジに自然な表情が生まれます。

ヤマゴボウ
ヤマゴボウ

ノラニンジン

 ノラニンジンは人参の野生種。開く前の花はグリーンですが、咲き始めると次第に白に変化していきます。
 レースフラワーのような使い方もできますが、レースフラワーのように花がポロポロと落ちることがなく、茎もしっかりしており、使いやすい素材です。

ノラニンジン
ノラニンジン

姫ひまわり

ブリーディングハーツ

 姫ひまわりという名前の通り、ひまわりを小さくしたような可愛らしい花ですが、こちらは切り花としてはまだあまり見かけない、珍しいタイプです。

 赤橙色を帯びた温かみのある花色が特徴で、一般的な黄色い姫ひまわりとは違った、少しシックな雰囲気があります。

 花だけでなく、茎や葉の雰囲気にも自然な味わいがあり、ガーデンフラワーのような魅力を持つ切り花です。

姫ひまわり「ブリーディングハーツ」
姫ひまわり「ブリーディングハーツ」

バーニングハーツ

 こちらの「バーニングハーツ」は、黄色い花びらの中心に赤褐色が入る、とても印象的な品種です。
 切り花としてはまだあまり多く流通していない、珍しい姫ひまわりです。

 明るい黄色の中に、燃えるような赤褐色が入ることで、夏らしい元気さだけでなく、少し秋を感じさせる深みもあります。

姫ひまわり「バーニングハーツ」
姫ひまわり「バーニングハーツ」

タリクトラム

紫錦唐松(シキンカラマツ)

 淡い紫の小花が、霞のようにふわっと広がる珍しい草花系花材です。

 細い黒紫の茎に、小さな紫の粒が無数に浮かぶようにつき、アレンジメントや花束に入れると、奥行き・涼感・自然な揺れが生まれます。

 小さな花なので写真ではピントが合いにくいのですが、そのぼんやりとした写りも、この花材らしい空気感かもしれません。

珍しい花材を使った作例

作例1:パープルヒルとノラニンジンを使って

 こちらはひまわり「パープルヒル」とノラニンジンを使った作例。全体的に同系色のグリーンとしました。
 パープルヒルは形状は面白いのですが、思ったよりも蕾が小さく、一方でノラニンジンの花は形状が大きいものが多いです。

 作例1はフトイや鳴子ランも使った夏らしいアレンジとなります。

作例1:パープルヒルとノラニンジンを使って

作例2:ヤマゴボウを使ったアレンジメント

 紫陽花、トルコキキョウ、アルストロメリアなどを中心に、紫系で落ち着いた雰囲気にまとめました。

 作例2は、ヤマゴボウも葉物として使用しています。
 紫の花色に、ヤマゴボウの明るいグリーンが加わることで、重くなりすぎず、やわらかく上品な印象に仕上がりました。

作例2:ヤマゴボウを使ったアレンジメント

作例3:紫錦唐松(シキンカラマツ)を使った生け込み

 紫錦唐松(シキンカラマツ)を使った生け込みです。

 シキンカラマツは、小さな青紫色の花を細い茎の先に咲かせる花材です。今回は、カスミソウのように細かな花を空間に散らし、作品全体に軽やかさを加える使い方をしました。

 白いカスミソウとは異なり、シキンカラマツは青紫の色を持っているため、空間を埋めるだけでなく、配色の一部としても働きます。

 色相的には、赤・黄・緑・青紫の4色によるテトラード配色です。緑を土台に、黄バラを主役とし、赤と青紫をアクセントとして構成しました。

作例3:紫錦唐松(シキンカラマツ)を使った生け込み

この記事を書いた人

菊地充智
菊地充智代表取締役社長/色彩講師/UC級講師/1級色彩コーディネーター
こんにちは。福島県郡山市にあるフラワーショップ アリスの代表を務めております、菊地充智です。
元教員としての経験を活かしながら、色彩の専門知識を基に、お客様一人ひとりに寄り添った花づくりを行っています。

全国の産地を自ら訪問し、生産者の声を直接伺いながら、確かな品質と生産者の想いやこだわりが詰まった花を選んでご提供しています。

また、色彩講師(AFT認定)/UC級講師(AFT認定)/1級色彩コーディネーターとして、色彩の理論に基づいた花束・アレンジメントのご提案や、色彩と花に関する情報発信にも力を入れています。

ブログ記事では、花の魅力や色彩などに関する知識を、できるだけ分かりやすくお届けしています。
ご覧いただいた皆様が、花や色彩の奥深さに興味を持つきっかけになれば嬉しく思います。

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