【花屋の裏側】ホームページが真っ白に!?PHPアップグレードで起きたトラブルと解決法

 最近、ホームページの「裏側」で大きなトラブルが起きました。
 原因は、あまり意識することのなかった「PHP」というシステムのバージョンアップ。

 本記事では、花屋のホームページが突然真っ白になった実体験と、その解決までの流れをお話しします。
 同じようにWordPressでサイトを運営している方の参考になれば幸いです。

【花屋の裏側】ホームページが真っ白に!?PHPアップグレードで起きたトラブルと解決法

導入

 とある知人のそのまた知人であるIT専門家が弊社サイトを見て下さり、PHPバージョンが低いので、上げた方がいいとアドバイスを頂きました。

 2021年頃にバージョンを上げた記憶があるのですが、すっかりPHPのことは忘れていました。しかしこのままでは問題だとの専門家の意見に従い、さっそくバージョンを7.4から8.3に上げてみました。

 するとホームページが真っ白に!

 かなり焦って対応を探っていきました。
(この間、約15分~20分。この間にサイトを訪れていただき、エラーに遭遇された皆様、すみません。無事復旧しました。)

PHPとは

 「PHP(ピー・エイチ・ピー)」とは、ホームページを動かすためのプログラム言語のひとつです。
 たとえば、私たちのホームページでお客様が「注文フォーム」を送信したり、「ブログ記事」を見たりできるのも、PHPという仕組みが裏側で働いているからこそ実現できています。

 このPHPは、長年使われてきた実績のある仕組みなのですが、セキュリティや性能を向上させるために定期的に新しいバージョンが登場します
 ただし、古いバージョンを使い続けていると、セキュリティ上のリスクが発生したり、最新のプラグインや機能がうまく動かなくなったりすることも。

 今回のように「PHPのバージョンを上げる」ことは、ホームページの安全性や安定性を保つためにとても大切な作業です。
 一見すると「花屋の裏側」の話ですが、フラワーショップ アリスのホームページを安心して使っていただくために、こうした部分の管理もしっかり行っています。

背景:なぜPHPを上げたのか?

 PHP7.4バージョンをchatGPTに聞いてみると、以下の返答。とにかくサポートが切れているため、セキュリティー上の問題があるとのこと。

PHP7.4のリリースとサポートスケジュール

 同じようにPHP8.3について調べてみると、1年前にリリースとのこと。1年前であれば、基本的にプラグイン等のバージョンはこまめにUPしているので、問題は無いと判断。そして実行してみました。

PHP8.3のリリースとサポートスケジュール

発生したエラー

 弊社のレンタルサーバーであるロリポップでは、簡単にバージョンUPをすることもでき、また、PHP7.4以降であれば、前のバージョンに戻すことも可能です。

 そこでバージョンをポチッと変更してみると・・・・10分経っても画面が真っ白に!

ロリポップPHP変更画面
ロリポップPHP変更画面

届いたメール

 動揺している最中に、WordPress側からメールが届きました。

WordPress側からメール
WordPress側からメール

 原因は・・・古いプラグインである「Count Per Day」だったとのこと。サイト制作時から愛用していたプラグインだったのですが・・・まさかこれが原因だとは・・・。

 しかしながら、WordPress側からメールが来て助かりました。このメールが来なければ、何が原因か分からず、樹海にさまよう結果となっていました。

対処法

 取り敢えず古いバージョンであるPHP8.1に変えて10分ほど待ってみましたが・・・変わらず。
 この段階でかなり焦りましたが、「幸いに」PHP7.4に戻すことができたので、復旧。そして該当プラグインを停止(最終的には削除)。その後、最新のPHP8.3に更新できました!

 実は私自身、以前にPHP7.4へバージョンアップしていたため、今回のトラブル時に一時的に7.4に戻すことが可能でした。これが仮に7.3以前のままだった場合、ロリポップの仕様上、旧バージョンに戻すことすらできず、完全に復旧不能となっていた可能性もあります

 たしか2021年の2月頃、ちょうど冬の寒い時期だったと記憶しています。当時、PHP8.0が登場してはいたものの、「不安定」「対応していないプラグインがある」といった声が多く見られました。

 そのため、当時あえてPHP7.4へアップグレードする判断をしたのですが、今回のトラブル時にはそれが功を奏し、「7.4に戻して復旧」という選択肢が残されていました。

失ったもの

 Count Per Dayは2019年7月16日のサイト開設以来のアクセス数をカウントしていましたが、このデータは全て消えてしまいました。
 残念ですが、それよりも今後の安定運用が優先と判断しました。

 仮にこのままCount Per Dayを放置した場合、PHPバージョンを上げることができず、深刻なトラブルが今後起こる可能性もありました。

在りし日のCount Per Day
在りし日のCount Per Day

昔は対応策があったが

 2年以上前はプラグインで「PHP Compatibility Checker」というものがあり、これをインストールすることで事前にPHPバージョンとの互換性をチェックできました。しかし、現時点(2025年6月時点)では開発が止まっており、このプラグインを使用してチェックすることができません。

 ChatGPTに代替のプラグインについて聞いてみましたが、下記のように現時点では無いとのこと。
 つまり「(PHPを導入して)動かしてみないと分からない」ということです。

事前に互換性を予知できるプラグインがあるかどうかについてChatGPTに聞いてみると
事前に互換性を予知できるプラグインがあるかどうかについてChatGPTに聞いてみると

現状での対応策

 これは教訓・まとめにも繋がる内容ですが、(私個人の意見としては)こまめにPHPをバージョンUPした方がいいということです。
 仮に全くPHPをバージョンUPしておらず、例えば5.6などの「かなり古い」バージョンだった場合、レンタルサーバーでは(サポート終了により)元に戻せなくなるためです。

 所謂「詰む」とはこのような状況を指し、戻せなくなった場合、(ホームページを開いても白い画面が表示され続け)専門業者に依頼するなどの対応で、復旧まで数ヶ月かかる可能性もあり得ます。

教訓・まとめ

 WordPress自体は日々進化しており、それに合わせてPHPも進化しています。しかし、使い慣れていたプラグインが、気づかぬうちに開発停止していたり、最新環境に未対応だったりすることは珍しくありません。

 「Count Per Day」はまさにその典型で、長年愛用していたものの、知らぬ間にメンテナンスが終了していました。そのまま使い続けていれば、今後さらに深刻なセキュリティリスクやシステムトラブルを引き起こしていたかもしれません。

 今回、たまたま旧バージョンに戻せたので助かりましたが、環境によってはサイトそのものが復旧不能になる可能性もあったと考えると、事前のバックアップと互換性の確認、そして冷静な対応力が不可欠であると痛感しました。

 同じようにWordPressを使ってサイトを運営している方の中には、「PHPのことはよく分からないけど、そのまま使っている」という方も多いと思います。今回の体験が、誰かの「備え」につながれば幸いです。

この記事を書いた人

菊地充智
菊地充智代表取締役社長/1級色彩コーディネーター/UCアドバイザー
こんにちは。福島県郡山市にあるフラワーショップ アリスの代表を務めております、菊地充智です。
元教員としての経験を活かしながら、色彩の専門知識を基に、お客様一人ひとりに寄り添った花づくりを行っています。

全国の産地を自ら訪問し、生産者の声を直接伺いながら、確かな品質と生産者の想いやこだわりが詰まった花を選んでご提供しています。

また、1級色彩コーディネーター/UC(ユニバーサルカラー)アドバイザーとして、色彩の理論に基づいた花束・アレンジメントのご提案や、色彩と花に関する情報発信にも力を入れています。

ブログ記事では、花の魅力や色彩などに関する知識を、できるだけ分かりやすくお届けしています。
ご覧いただいた皆様が、花や色彩の奥深さに興味を持つきっかけになれば嬉しく思います。

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