【色別】クレマチスの種類いろいろ

 クレマチスは原種と園芸品種を合わせ、数千種類にも上ります。そんなクレマチスの中から、フラワーショップ アリスで取り扱っているいくつかを取り上げてみたいと思います。

【色別】クレマチスの種類いろいろ

クレマチスは剪定方法に注意

 クレマチスは品種によって咲く枝の種類が異なり、剪定方法も大きく変わります。誤った剪定をすると翌年に花が咲かなくなることがあるため、品種ごとの系統と剪定グループを正しく理解することが大切です。

 本ブログ記事では、取り扱い品種について剪定グループを明記し、初心者の方でも安心して管理できるよう解説しています。
 購入後の参考にして頂ければ幸いです。

クレマチスは剪定方法に注意

ピンク

ピンクファンタジー

 淡いトーンが特徴的なクレマチスです。ロマンティックなイメージを演出し、ナチュラルガーデンや洋風の庭づくりに最適な色合いです。

ピンクファンタジー

基本情報

  • 系統:ジャックマニー系(新枝咲き)
  • 剪定グループ:グループ3(強剪定)
  • 花期:5月~9月(春〜秋にかけて繰り返し咲く)
  • 花径:10〜15cm程度(大輪)
  • 花色:淡いピンクに濃いピンクの筋(花の中央に筋が入るのが特徴)
  • 育てやすさ:非常に丈夫、初心者向き
  • 由来:カナダの園芸家によって育成された品種

特徴とポイント

  • 剪定が簡単:冬に地際まで強剪定できるため、初心者にも手入れしやすい。
  • 花付きが良い:1株でもたくさんの花を咲かせる。
  • 淡いピンク+筋模様が上品で、洋風ガーデンに最適。
  • 病気に比較的強く、つるの伸びも控えめで鉢植えにも向く。

青紫

新紫玉(しんしぎょく)

 ディープトーンの濃い青紫色が特徴の新紫玉。花の中央部分や花弁の裏側が白色で、コントラストがはっきりしています。

クレマチス「新紫玉」

基本情報

  • 系統:旧枝咲き系(早咲き種)
  • 剪定グループ:グループ2(新旧枝咲き)
  • 花期:5月〜10月(春から秋にかけて繰り返し開花)
  • 花径:約10cm(八重咲き)
  • 花色:深い紫色で、花弁の裏側が白くリバーシブルになっており、一輪でもコントラストが楽しめます。
  • 草丈:約1〜2m(つる性)
  • 耐寒性:強い
  • 耐暑性:中程度
  • 日照:やや半日陰を好む

特徴とポイント

  • 剪定:前年の枝に花をつける旧枝咲き系のため、冬の強剪定は避け、枯れ枝や弱い枝を取り除く程度にとどめます。これにより、翌年も美しい花を楽しむことができます。
  • 育てやすさ:耐寒性が強く、日本の気候に適しています。やや半日陰を好むため、直射日光を避けた場所での栽培が望ましいです。
  • 植栽場所:フェンスやアーチ、鉢植えなど、つるを誘引できる場所での栽培がおすすめです。

ベル・オブ・ウォーキング

 ペールトーンの淡い青紫が特徴的なクレマチスです。

クレマチス「ベル・オブ・ウォーキング」

基本情報

  • 系統:パテンス系(早咲き大輪系)
  • 剪定グループ:グループ2(新旧枝咲き・弱剪定)
  • 開花期:5月〜6月と8月〜9月の年2回
  • 花径:約8〜12cmの八重咲き
  • 花色:咲き始めは淡いピンク色で、咲き進むにつれ藤色に変化
  • 草丈:約2〜2.5m(つる性)
  • 耐寒性:強い(日本の気候に適応)
  • 耐暑性:やや弱い(夏場は半日陰が適する)
  • 日照:日向〜半日陰
  • 原産地:イギリス(1875年作出)

特徴とポイント

  • 花の魅力:ベルベットのような質感の八重咲きで、花弁の裏側が白く、咲き進むにつれて色が変化する美しい花を咲かせます。
  • 剪定:前年の枝と新しい枝の両方に花をつける新旧枝咲きのため、冬の剪定は弱剪定が適しています。枯れ枝や弱い枝を取り除く程度にとどめます。
  • 育てやすさ:耐寒性が強く、日本の気候に適しています。夏場の直射日光を避け、半日陰での栽培が望ましいです。
  • 植栽場所:フェンスやアーチ、鉢植えなど、つるを誘引できる場所での栽培がおすすめです。

雪の粧(ゆきのよそおい)

 真っ白なクレマチス「雪の粧」。清楚で上品な色合いです。

雪の粧

基本情報

  • 系統:パテンス系(早咲き大輪系)
  • 剪定グループ:グループ2(新旧枝咲き・弱剪定)
  • 開花期:5月〜6月頃(春咲き)
  • 花径:約10〜12cmの八重咲き
  • 花色:純白で、花弁の重なりが美しい
  • 草丈:約2〜2.5m(つる性)
  • 耐寒性:強い
  • 耐暑性:やや弱い(夏場は半日陰が適する)
  • 日照:日向〜半日陰

特徴とポイント

  • 花の魅力:純白の八重咲きで、花弁の重なりが豪華な印象を与えます。清楚で上品な花姿は、和風・洋風どちらの庭にも調和します。
  • 剪定:前年の枝と新しい枝の両方に花をつける新旧枝咲きのため、冬の剪定は弱剪定が適しています。枯れ枝や弱い枝を取り除く程度にとどめます。
  • 育てやすさ:耐寒性が強く、日本の気候に適しています。夏場の直射日光を避け、半日陰での栽培が望ましいです。
  • 植栽場所:フェンスやアーチ、鉢植えなど、つるを誘引できる場所での栽培がおすすめです。

複色

エールフクシマ

 人気品種『プリンセス・ダイアナ』の枝変わりとして誕生したものです。赤紫と白のコントラストが鮮やかです。赤やピンクと色合いがずれるため、複色カテゴリーとしました。

基本情報

  • 系統:テキセンシス系(新枝咲き)
  • 剪定グループ:グループ3(強剪定)
  • 開花期:5月〜10月(四季咲き)
  • 花径:約4〜6cm
  • 花色:外側がローズレッド、内側がホワイトのバイカラー
  • 花形:チューリップ型(ベル型)
  • 草丈:約1.5〜3m(つる性)
  • 耐寒性・耐暑性:強い
  • 育てやすさ:初心者にもおすすめ
  • 育成者:高玉恵治氏(福島県相馬市)

特徴と育て方のポイント

  • 花の魅力:外側がローズレッド、内側がホワイトのバイカラーで、チューリップ型の花を咲かせます。
  • 開花期間:5月から10月までの長期間にわたり、次々と花を咲かせます。
  • 剪定:新枝咲きのため、冬に地際から20cm程度で強剪定することで、翌年も元気に花を咲かせます。
  • 育てやすさ:耐寒性・耐暑性ともに強く、初心者にも育てやすい品種です。
  • 植栽場所:フェンスやアーチ、鉢植えなど、つるを誘引できる場所での栽培がおすすめです。

アイフクシマ

 『アイフクシマ』は、淡い色合いが特徴的な品種です。剪定や日照管理に注意を払うことで、長期間にわたり美しい花を楽しむことができます。

クレマチス「アイフクシマ」

基本情報

  • 系統:テキセンシス系(ヴィオルナ系)
  • 剪定グループ:グループ3(新枝咲き・強剪定)
  • 開花期:5月〜10月(四季咲き)
  • 花径:約3〜6cm
  • 花色:外側が濃紅色、内側がピンクと白のバイカラー
  • 花形:チューリップ型(ベル型)
  • 草丈:約1.5〜3m(つる性)
  • 耐寒性:強い
  • 耐暑性:強い
  • 育てやすさ:初心者にもおすすめ
  • 育成者:高玉恵治氏(福島県相馬市)

特徴とポイント

  • 花の魅力:外側が濃紅色、内側がピンクと白のバイカラーで、チューリップ型の花を咲かせます。
  • 開花期間:5月から10月までの長期間にわたり、次々と花を咲かせます。
  • 剪定:新枝咲きのため、冬に地際から強剪定することで、翌年も元気に花を咲かせます。
  • 育てやすさ:耐寒性・耐暑性ともに強く、初心者にも育てやすい品種です。
  • 植栽場所:フェンスやアーチ、鉢植えなど、つるを誘引できる場所での栽培がおすすめです。

ビエネッタ

 白と紫のコントラストに、中心のグリーンが加わり、形も印象的なクレマチスです。

基本情報

  • 系統:フロリダ系(Clematis florida)
  • 剪定グループ:グループ3(新枝咲き・強剪定)
  • 開花期:6月〜10月(初夏から秋まで繰り返し開花)
  • 花径:約8〜10cm
  • 花色:外側はクリームホワイト、中心部は緑と紫の万重咲き
  • 草丈:約2〜3m(つる性)
  • 耐寒性:強い(-15℃程度まで耐える)
  • 耐暑性:やや弱い(夏場は半日陰が適する)
  • 日照:日向〜半日陰
  • 育成者:レイモンド・エヴィソン氏(イギリス)

特徴とポイント

  • 花の魅力:外側の白い花弁と、中心部の緑と紫の万重咲きが特徴的で、非常に華やかな印象を与えます。
  • 開花期間:6月から10月までの長期間にわたり、次々と花を咲かせます。
  • 剪定:新枝咲きのため、冬に地際から強剪定することで、翌年も元気に花を咲かせます。
  • 育てやすさ:耐寒性が強く、日本の気候に適しています。夏場の直射日光を避け、半日陰での栽培が望ましいです。
  • 植栽場所:フェンスやアーチ、鉢植えなど、つるを誘引できる場所での栽培がおすすめです。

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yukihirogenkiさんはクレマチスの愛好家です。
弊社でクレマチスの苗を購入し、自宅の庭を素晴らしい景観にしています。詳細は下記ブログ記事にありますので、よろしければご覧下さい。

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この記事を書いた人

菊地充智
菊地充智代表取締役社長・1級色彩コーディネーター
こんにちは。福島県郡山市にあるフラワーショップ アリスの代表を務めております、菊地充智です。
元教員としての経験を活かしながら、色彩の専門知識を基に、お客様一人ひとりに寄り添った花づくりを行っています。

全国の産地を自ら訪問し、生産者の声を直接伺いながら、確かな品質と生産者の想いやこだわりが詰まった花を選んでご提供しています。

また、1級色彩コーディネーターとして、色彩の理論に基づいた花束・アレンジメントのご提案や、色彩と花に関する情報発信にも力を入れています。

ブログ記事では、花の魅力や色彩などに関する知識を、できるだけ分かりやすくお届けしています。
ご覧いただいた皆様が、花や色彩の奥深さに興味を持つきっかけになれば嬉しく思います。

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