母の日の御礼と花卉動向

 今年も母の日におきまして、たくさんのお客様のご来店やお問い合わせ、誠にありがとうございました。今年もほぼ完売状態となったこと、たいへんありがたく感じております。これも一重にお客様のご支援・ご鞭撻があってのことですので、これからもいい花を取り揃え、誠意を持って取り組んでいきたいと考えております。

 話は変わりますが去年から日本にも広まりを見せたコロナ災禍は、花卉業界にもいろいろな影響をもたらしています。今回は、花卉動向としてその影響も踏まえたいくつかの話題を取り上げてみたいと思います。

①胡蝶蘭
 胡蝶蘭は主に台湾で生育した苗を日本各地の生産者が輸入し、それを育てることで流通が成り立っています。しかし今回のコロナ災禍で航空便が大幅に減少し、胡蝶蘭(苗)の台湾からの入荷が大幅に減ることになりました。その結果、胡蝶蘭の大幅な品薄と価格の上昇が起きています。弊社ではなるべく胡蝶蘭を常時ストックし、切らさないようにしていますが、入荷にやや時間がかかる状況が続いています。

②コロンビアのカーネーション
 国内で流通する約6割は輸入カーネーションです。その中でも最大の割合を占めるのがコロンビア産。弊社では国産をメインに取り扱っていますのでコロンビア産のカーネーションはほとんど扱っていませんが、今回のコロナの影響でコロンビア産の入荷が大幅に減少しました。

 これは先述の胡蝶蘭の苗と同じようにコロナの影響で航空便が減少したことや、作付面積が減少したこと、コロンビアでのロックダウン、天候不順等が重なった事によるものです。

 そのため、今年の母の日は特に切り花のカーネーションの価格が高騰し、大幅な品薄状態となりました。輸入商社でも母の日用のカーネーションが4月の早い段階から欠品により対応できないとの話はリアルタイムで聞いていたため、弊社は逆に国産のカーネーションの早期の確保(予約注文)に動き、対応することにしました。

③鉢物の減少
 母の日用の鉢物を含め、生産者は年間を通して作付け数量を決定し、出荷します。昨年はコロナによる緊急事態宣言のため、東京などでは鉢物の価格が暴落しました。その結果、一部の生産者は鉢物の生産を取りやめ、違う作物栽培に業態転換する動きも出てきました。

 入荷数量の減少に加え資材価格の高騰等も重なったことで、仕入れ時点での鉢物の価格も大幅に上昇しています。特に今年の鉢物のカーネーションにおきましては、入荷が圧倒的に少なく、予約注文も一部欠品が出るほどの品不足でした。当然ながら競りには全くかからない状態でした。

④インフレーションの進行
 コロナの影響は、結果的にインフレーションの進行に繋がっています。ただ、私個人の私見としましては、1990年代初頭からのバブル崩壊から繋がるデフレが酷すぎたため、寧ろインフレーションの進行は歓迎すべきものと考えています。

 つまり、販売側も生産者側も1円でも安く売ることが長く続いていたわけで、それは長期的にはぎりぎりの生活を送るような、技術の安売り・時間コストの安売りに繋がるものであり、じり貧状態となっていたということです。

 いいものを作る生産者には競りで高値を付ける。そんな当たり前のことができずに、いいものも悪いものも一緒くたに安値で叩き売られる、そんな傾向が長らく続いていました。そんな状況を打破し、いいものを作る生産者にはしっかりとした値付けをするのが我々業界に携わっている者の本来の努めです。

 いいものを作る生産者を守る上でも、インフレーションの進行は望ましいと考えています。

⑤景気は影を落としているが・・・
 ウッドショックと言われる木材価格の高騰が話題になっています。これはアメリカでの景気の盛り上がりから住宅建築が相次ぎ、原材料となる木材が大幅に不足したことに起因しています。

 中国でも鋼材価格が大幅に上昇しているようで、景気がかなりの盛り上がりを見せているようです。

 ひるがえって日本では、景気の低迷が続いているように感じます。しかしながら秋以降、ワクチン接種が一般に広がってからは、景気も大幅に良くなるのではと考えております。

 時代は今、大幅に変化していますが、少しでもお客様の一助になれればと弊社も真摯に取り組んで参ります。


 
 

 

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