秋の花材「ファーガス」「フォックスフェイス」

 枯れ葉のように見えるのは「ファーガス」。プリザーブド処理したブナの葉です。
 枯れ葉はカサカサとした葉触りですが、こちらのファーガス、触るとしっとりした葉触りです。

フラワー君

ファーガスは枯れ葉のように見えて、全く高級に見えませんけどね

アリスちゃん

本物の紅葉した葉を生け込みに使うと、3日も持たないで散れてしまいます。プリザーブド処理したファーガスとは日持ちが全く違います。

秋の花材「ファーガス」「フォックスフェイス」

プリザーブド処理したブナの葉「ファーガス」

 先日のブログ「季節感に応じた花材選び④~深まりゆく秋を表現する」においてもファーガスをご紹介しましたが、今回は上記写真の2.5倍の量を用意しての生け込みです。

 ファーガスはプリザーブド処理しているためにこの状態が1年以上続きます。その代わり値段が結構お高く、下の写真のこの分量(計5本)でも店売りで2600円(税抜き)もする「高級花材」となります。

 今回はこの「高級花材」をふんだんに使っての生け込みを行いました。

ナス化の植物「フォックスフェイス」。別名「ツノナス」「カナリアナス」

 続いてフォックスフェイス。実が狐の顔のように見えるナス化の植物です。別名、別名ツノナス、或いはカナリアナスとも呼ばれておりブラジル原産のナス科の植物となります。

 秋限定の花材ですが、面白い形状です。ブラジル原産ですが、国内で生産されております。今回は静岡県産のフォックスフェイスを使用しました。

 このフォックスフェイスは枝が太いので、鋏ではなかなか切れません。こういった枝物は無理に鋏で切ろうとすると鋏の刃が変形して使い物にならなくなってしまいますので、こういう場合はノコギリを使います。

フォックスフェイスを使った生け込み

 下の写真はフォックスフェイス、珊瑚水木を中心に、根締めにキングプロテアを入れた生け込み。全体的に黄色~赤へと色を繋いでの生け込みです。

 フォックスフェイスは茎が他の花材に比べ太すぎるので、生け込みに多少難儀します。また、上の実が重いため、オアシスにさしてもグラグラすることがあるため、固定するにも一苦労します。

 しかしながら形状が面白いため、パッと目を引く生け込みに仕上がります。

 秋は実物の季節です。こういった実物を生けるのも、楽しみの一つとなりますね。

使用花材

フォックスフェイス、珊瑚水木、キングプロテア、アルストロメリア、バラ、アレカヤシ、ドラセナ(2種類)、ルスカス

この記事を書いた人

菊地充智
菊地充智代表取締役社長
こんにちは。フラワーショップ アリスの代表取締役、菊地 充智と申します。福島県本宮市出身で、元々は教員として子どもたちの教育に尽力していました。その経験は私にとって大切な基礎となり、人と心を通わせる重要性や、強い絆を築くことの意味を深く理解させてくれました。

2007年、私は新たな挑戦としてフラワーショップ アリスに加わりました。それ以来、花々と共に日々成長し、お客様に最善のサービスを提供するために常に努力しています。そして、花の美しさとそれぞれの物語をより深く理解し、お客様に届けるため、全国の花の産地を訪れています。

私の経営理念は、お客様に最高の満足を提供し、常に改善と修正を行いながら、お客様にとってベストの選択を追求することです。この理念は、私が書く文章にも反映されています。

皆さんが私の記事を通じて、花の世界の美しさや、そこに込められた物語を感じ取っていただければ幸いです。それが私が記事を書く大きなモチベーションとなっています。どうぞよろしくお願いいたします。